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世界戦略車、日本離れ

2012年4月3日(火)

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日系自動車メーカーが相次ぎ、世界市場をにらむ「戦略車」の海外生産を始める。拡大する新興国市場向けのクルマを、新興国発でグローバルに展開する戦略だ。円高と通商戦略の遅れが逆風となる日本には、本格的な空洞化が訪れる。

 「新興国にいる新進気鋭の消費者は、先進国のお下がりを求めているのではない」(日産自動車のヴァンサン・コベ執行役員)

 日産自動車は昭和初期に立ち上げ、高度経済成長期に同社の代名詞だった「ダットサン」ブランドを新興国向けとして復活させる。インド、インドネシア、ロシアを皮切りに2014年に発売し、2016年度までには日産が3カ国で販売する新車の3分の1から半分をダットサンとする。

 日系メーカーはこれまで、日本で販売しているクルマの仕様を少し変えて、海外で販売することが多かった。例えば、右ハンドルを左ハンドルに変えたり、日本にはないディーゼルエンジン車を設定したりしている。

 ダットサンは違う。日本では売らない。新興国でそれぞれの環境規制、道路事情に合わせて作り込む。価格の水準もバラバラで、「インドネシアは1万ドル(約83万円)以下。インドは40万ルピー(約65万円)になるかもしれない」(日産のカルロス・ゴーン社長)。

 生産も海外だ。ダットサン車の投入を踏まえてインドネシアで330億円を投資し、生産能力を2014年までに現行の2.5倍となる25万台に引き上げる。

 既存の車種に仕様変更を施すのとは異なり、新型車の生産は完成車メーカーと部品メーカーの協力とノウハウが必要だ。日系メーカーは当然、日本にその体制を築いている。そして各社は同じ体制を新興国にも広げつつある。

 三菱自動車はグローバルに販売する小型戦略車「ミラージュ」をタイで生産し、3月28日にタイで発売した。日本市場では夏に発売する予定で、タイ工場から輸入する。日産が2010年にタイで先行発売し、日本に輸入している小型車「マーチ」と同じ構図だ。下の図にあるように、日系メーカーは次々に、新型車の海外生産に乗り出している。

 自動車は販売する国での部品調達・生産が基本だ。新興国に進出する際は現地政府から現地調達の規制を設けられることもある。生産ノウハウの流出をためらってばかりはいられない。むしろ伸びる市場である新興国で技術者を採用し、部品メーカーを育ててきた。その努力が、ここにきて一気に実りつつある。

通商戦略にも対応

 ただ、戦略車が日本を離れるのは新興国市場が伸びるという理由だけが要因ではない。通商戦略にも自動車メーカーは敏感だ。

 トヨタ自動車は今年1月、韓国に輸出する主力車種「カムリ」の生産場所を、これまでの堤工場(愛知県豊田市)から米ケンタッキー州の工場に切り替えた。韓国向けとしては、昨年11月にも北米専用ミニバン「シエナ」の輸出を始めた。米国と韓国の間で3月15日にFTA(自由貿易協定)が発効したのを機に、米国拠点を有効活用する。

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「世界戦略車、日本離れ」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官