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「企業報告の世界標準作りは始まっている。日本はアジアのリーダーたれ」

IIRC事務局長、ポール・ドラックマン氏インタビュー

2012年4月5日(木)

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 財務情報は企業の実情を十分に反映したものではない。30年前には7割を超えていた株式の時価総額に占める物的および財務資産の比率が、今日では2割を切っている。企業統治の健全性、地球環境への配慮、従業員重視などの企業姿勢が見えない資産として企業価値向上に寄与しているからだ。こうしたCSR(企業の社会的責任)や持続可能性に関連する取り組みは、一般の投資家や消費者には見えづらく測りづらい。ましてや企業間での比較は困難を極める。

 そこで、海外では財務やCSRの企業報告書を1つにまとめた「統合報告」の基準作りが進んでいる。その中心的な役割を担うのが2010年設立の「IIRC(国際統合報告委員会)」だ。来日したIIRCのポール・ドラックマン事務局長がその狙いと現状を語った。

(聞き手は上木貴博)

IIRC設立の目的、統合報告の必要性とは何か。

IIRC事務局長、ポール・ドラックマン氏

ドラックマン:目的は大きく2つある。1つは企業の財務や、セキュリティー、持続可能性にまつわる基準作りをそれぞれ進めてきた団体を一堂に集めることだ。そして、企業経営者や投資家、市民運動の関係者などにも協力してもらい、統合的な報告書のひな型の開発に取り組んでいる。もう1つは、各企業の報告書作成の負荷を軽減しながら同時に企業報告の信頼性を向上させ、企業間で比較を容易にすることだ。

 企業が開示しなければならない報告書の数は年々増えている。これらの報告書作成だけでも企業には非常に大きな重荷となっている。我々が進める「統合報告」が完成して普及すれば、負荷を軽減できるはずだ。投資家にとっても企業の戦略や未来を知る重要な手立てとなる。現状では国ごとで情報開示の基準が異なるので、同じ業界でもグローバル企業同士は比較しづらかった。

現状では統合報告の基準作りはどこまで進んでいるのか。

ドラックマン:パイロットプロジェクトは昨年10月末にスタートしており、世界中で65社が参加している。参加企業は2年後にこの試みに沿った新しい報告書を開示する予定だ。日本からは武田薬品工業と昭和電機(大阪府大東市)、新日本監査法人が協力してくれている。

 ただ、参加企業も非財務情報のデータ集めに難しさを感じている。例えば、知的資産に関する情報などだ。参加企業に調査したところ、統合報告での情報開示に必要なデータをそろえられると回答した企業は5%に過ぎなかった。この辺りは今後の課題になる。

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「「企業報告の世界標準作りは始まっている。日本はアジアのリーダーたれ」」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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