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富士重、中国合弁に“見切り”

2012年4月10日(火)

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富士重は、中国で合弁会社設立への手綱を緩めると決断した。中国政府の認可が出ないため、経営資源をほかへ振り向ける。風車とゴミ収集車の事業譲渡も決定。選択と集中が進む。

吉永泰之社長は事業の選択と集中を進める(写真:宮原 一郎)

 「何事も期限を切って、誰がやるのか定めて、期限が来たら決断するのがポリシー。中国合弁会社の設立も、3月31日を期限にしてきた」。富士重工業の吉永泰之社長は、こう明かす。

 同社は現在、中国の自動車メーカー、奇瑞汽車と生産・販売の合弁会社設立を中国政府に申請中だ。ところが、昨年の初夏に申請して以来、中国政府からは、何の反応もない。

 昨秋には「トヨタ自動車が富士重に対して支配的な立場にあるため認可は下りない」という報道も飛び出した。トヨタは富士重の筆頭株主だが、持ち株比率は16.5%にとどまる。国際的に「支配的」と言われる持ち株比率には及ばないにもかかわらずだ。

 富士重は、工場のある群馬製作所(群馬県太田市)に、中国合弁会社の設立準備のためのプロジェクトチームを組織しており、専任メンバーが業務に当たっている。「3月31日までは、ありとあらゆる可能性に当たれ」という吉永社長の指示の下、様々な選択肢を検討したという。当初は大連市を想定していた建設予定地も、北京郊外の曹妃甸(そうひでん)なども視野に入れて様子を探った。しかし、何ら状況が変わらないまま、期限に定めた3月31日を迎えた。

 「いつまでも経営資源を集中させるのは、あまりにもったいない。専任チームには別の業務も担ってもらうことを決めた」(吉永社長)。中国での合弁会社設立を断念するわけではないが、優先順位を下げ、区切りをつける。

 富士重の世界販売は好調で、国内外で受注残を抱える。生産の増強は同社にとって喫緊の課題だ。例えば、米国での「インプレッサ」。当初の月間販売目標は5000台だった。ところが、今年1月と2月はともに約6000台、3月に至っては約8000台を販売。国内も海外も、クルマが足りない状況が続く。

 では、足りない生産量をどう補うのか。ほかの自動車メーカーに比べて企業規模の小さい富士重は、群馬と米国インディアナ州にしか工場がない。中国以外の新興国で工場を建設する選択肢もないため、「今後はインディアナ州の工場を増強する」(吉永社長)。

 ただし、大きな投資を伴う新工場建設ではない。「クルマは少し足りないくらいがいい。新工場を造ってクルマが余り、安売りすることだけは避けたい」(吉永社長)という考えからだ。

事業の選択と集中が結実

 期限を切って決断を下す。吉永社長のこのポリシーは、中国事業だけでなく風力発電システムとゴミ収集車の2事業の譲渡という形でも結実した。同社は3月30日、風力発電システム事業を約10億円で日立製作所に、ゴミ収集車事業を新明和工業に約12億円でそれぞれ譲渡すると発表した。

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「富士重、中国合弁に“見切り”」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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