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イラン核開発問題、交渉が始まるものの原油価格は高止まりか

主要国との交渉は長引く見込み――中東情勢の専門家に聞く

  • 伊藤 暢人

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2012年4月10日(火)

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 4月13日から国連安全保障理事会の常任理事国(米国、ロシア、フランス、英国、中国)にドイツを加えた6カ国とイランが、核開発についての交渉に入る予定だ。イランに対しては米国や欧州連合(EU)などが経済制裁を発表しており、今回の交渉は今後の原油価格を左右すると見られている。日本でも全国のレギュラーガソリンの平均価格は、1リットル当たり158.3円(4月2日現在)まで上昇しており、イラン問題の影響は大きい。交渉の行方を、中東情勢に詳しい国際開発センター研究顧問の畑中美樹氏に聞いた。(聞き手は伊藤暢人)

イランに対する本格的な経済制裁が現実味を増している。日本や他の国にどのような影響が及びそうですか。

畑中:米国やEUの本格的な経済制裁はこれから始まる。もちろん日本も協力せざるを得ない。既に日本の石油精製大手はイランからの輸入量を自主的に削減している。前年比で20%削減することが目安となっていることから、その分はサウジアラビア、イラク、アブダビなどから確保することになるだろう。

畑中美樹(はたなか・よしき)氏
1974年、慶応義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所を経て、現在は国際開発センターエネルギー・環境室研究顧問とジェイ・エル・エナジー研究顧問を兼務

 2011年のイランからの石油輸出量は日量220万バレル程度と推定されている。世界的に見ても、この程度であればほかの中東諸国に加えてロシアやリビア、アフリカなどの産油国の増産でまかなえる量だ。

 しかし、ここで浮上するのは、質の問題だ。ほかの国から原油を調達して、従来と同様の石油製品を得るためには余分な精製コストがかかる。さらに、運賃も上積みとなる。既に、原油価格が高止まりする中で、こうしたコストは石油精製会社に新たな負担となりかねない。

 条件のよい原油を巡って、欧州、中国、韓国そして日本などによる獲得競争が激しくなるだろう。


イランの核開発の現状をどう評価していますか。

畑中:中東諸国の中には、平和利用目的で核を利用している国が複数ある。イランもそのうちの1つで、低濃度(3%)までのウランの利用が認められている。ただ、現状でイランが進めているのは、医療などでの平和的な利用をうたい、それを20%の高濃度にまで濃縮する技術を完成させようというものだ。既に施設が一応整っているため、イスラエルなどが敏感に反応している。

 この技術が軍事目的に利用されれば、イランは核兵器を開発することが可能になる。そうなれば、対抗上、周辺国も核兵器の開発に乗り出すと見られている。

 イスラエルは、イラクの核開発を防ぐために攻撃も辞さない構えだ。ただし、3月5日に米ホワイトハウスで、オバマ大統領とネタニエフ首相が会談。米国側からは秋の大統領選までは攻撃を控えるように要請したとされる。

 一方、イランは研究設備を地下の拠点に移設する作業を進めている。その作業が完了してしまうとイスラエルは直接攻撃ができなくなるため、移設と国際交渉のどちらが早く完了するか、関係国間での駆け引きが続いている。

今回の6カ国とイランとの交渉の落としどころは。

畑中:国際社会が求めるのは高濃度濃縮の断念だが、既にイランは設備を保有している。開発を断念させるには、経済制裁の緩和などイランに何らかの見返りが必要になる。

 結果的には核開発について2段階での議論になるのではないだろうか。

 まず、イランに対して低濃度のウラン濃縮技術の利用やさらなる開発は認めざるをえない。

 次に、高濃度については、イランで濃縮した低濃度ウランをいったん海外に持ち出して20%に濃縮。それをイランに持ち込んで、IAEA(国際原子力機関)の監視下でのみ利用を許し、使用後は国外に持ち出す、という方法が考えられる。

 その前提として、イランは文書の公開や研究設備へのIAEAによる査察を受け入れなければならない。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長