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「商社の農法」は日本を救うか

2012年4月11日(水)

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総合商社が国内の農業ベンチャーへ相次ぎ資本参加している。狙いは技術・ビジネスモデルの横展開やサプライチェーンの拡大。「商社の農法」は地盤沈下する日本の農業界に、新たな光明をもたらすのか。

 三井物産が2月、熊本県のある農業生産法人に資本参加した。その農業生産法人は果実堂。同社は、野菜の新芽を混合した「ベビーリーフ」の国内大手で、百貨店やスーパーマーケットに販路を広げて急成長している。

果実堂は外部への技術供与を辞さない(写真は矢崎総業子会社)

 ベビーリーフは栄養価が高いことなどが受け、米国で1980年代から市場が確立された。ここ数年で、日本国内でも広がっている。歴史は比較的浅い商品だが、重量当たりの単価が高く、水耕栽培すれば最高で年間24毛作が可能なことから、生産者側のメリットも大きい。現在、年間数十億円ほどの国内市場規模は、今後300億円程度まで拡大することが見込まれている。果実堂もこうした流れの中で、2005年に設立された農業ベンチャーである。

 同社の井出剛社長は、もともと農業に従事していたわけではない。医療・バイオ技術ベンチャーのトランスジェニックの創業者で、2002年には東証マザーズ上場も果たしている。ここでの研究開発の知見を基に設立したのが果実堂だった。

生産実績などをデータベース化

 そのため、同社は農業生産法人としては珍しく、自前の研究所を抱える。土壌や水質の研究による品質の管理や、商品開発などを担っている。同時に、農場の生産実績、出荷量、気候や肥料の量から営業関連まで、徹底したデータベース化を図っている。

 こうした戦略の狙いは、農業技術の体系化だ。「農家の長年の経験と勘」の世界とされる農業のノウハウは、ブラックボックス化され、これまで異業種による新規参入の最大の障壁だった。果実堂ではその問題を科学的な研究手法の導入でクリアし、事業の横展開を進めている。

 例えば、自動車部品大手の矢崎総業は、熊本の子会社で果実堂の技術支援を受け、ベビーリーフの生産に参入した。自動車の国内生産が減少する中で、17人が同事業に従事、雇用維持につなげている。

 三井物産が資本参加した理由もこうした横展開の可能性を見込んでのことだ。出資額は2億円と、同社の投資としては小規模だが、「単純な投資のリターンだけでなく、ほかの事業と結びつけることができる」(三井物産の金融・新事業推進本部の山本忠太則氏)。

 三井物産の例だけでなく、最近、商社による農業生産法人への資本参加が相次いでいる。

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