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北朝鮮やイランの挑発に反応するな

ギャレス・エバンズ元豪州外相に聞く

2012年4月12日(木)

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 北朝鮮が「人工衛星」と主張して発射を予告してきた長距離弾道ミサイルが今日にも発射される。発射後には、核実験を行う可能性も指摘されている。

 同国の“核”の脅威をどう受け止めるべきなのか。核兵器問題の専門家で、先月末、韓国の首都・ソウルで核安全保障サミットが開かれた直後に来日したギャレス・エバンズ元豪州外相に聞いた。

(取材構成は、中野目 純一=日経ビジネス副編集長)

ソウルで開かれた核安全保障サミットの結果についてどう見ているか。

エバンズ:心強いものだった。なぜなら、(核兵器の材料となる高濃縮ウランなどの)核・放射性物質や核兵器の拡散を封じて、テロリストやならず者国家に使用されることを防ごうとする姿勢が継続して見られたからだ。

 一方で、残念な面もあった。例えば、安全保障について特別な共通ルールを設けることでは合意できなかった。また声明は声明に過ぎない。2013年末までに核・放射性物質の拡散を安全かつ確実に防ぐことについては、少々悲観的にならざるを得ない。前進は見られたものの、失望や悲観的な見方を払拭するには至らなかった。

 核安全保障の分野について希望の光は差し込んでいると言える。少なくとも主要な国々は話し合いを続け、公約をし、前進を見せているからだ。しかし依然として約1600トンの高濃縮ウランと約500トンのプルトニウム、そして2万2000もの核兵器が世界に存在している。完全にリスクのない世界を実現するまでにはまだ長い道のりがある。

ミサイルの発射予告もあって、ここ日本では北朝鮮の核兵器開発に対する懸念が高まっている。北朝鮮の脅威に対して豪州での反応はどうか。

エバンズ:北朝鮮に対して過度におびえるべきではない。北朝鮮が周囲の隣国や米国に向けて核兵器を使用するとは考えにくい。もしそうしたら、北朝鮮は自滅する。我々は国際関係において「常軌を逸した国は何をしでかすか分からない」と心配しすぎている。

 確かに北朝鮮は交渉するのが極めて難しい厄介な相手である。同国相手に前進があったと思っても、いつも裏切られてきた。だが、彼らは正気を失ってはいない。いま進行中のことを怖がるべきではない。我慢強く対応することが必要だ。

 北朝鮮に対する適切な戦略は、「封じ込め」「抑止」、そして「交渉のためのドアを常に開いておくこと」の3点セットだ。

 同国はこの2月末に米国との間でウランの濃縮活動を中止し、査察を受け入れること、ミサイルの発射実験はしないことを合意した。しかし、その2週間後には一転して、人工衛星を打ち上げるためのロケットを発射すると発表した。そして、ミサイルではないと主張し続けている。

 だが、明らかにこれは米国との合意に反している。だからと言って、怖がったり、いらついたりすべきだろうか? 一進一退が続くが、ひるんではならない。そしてまだ長い時間を要するだろうが、北朝鮮が核を放棄するという我々の望んでいる結果が外交によって最終的にもたらされると自信を持つことである。

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「北朝鮮やイランの挑発に反応するな」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師