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クラレ、「楽観論」の海外シフト

目標数字という呪縛

2012年4月13日(金)

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 4月5日、大手化学メーカー、クラレは今後3カ年の中期経営計画を発表した。最終年となる2015年3月期の営業利益を850億円と、2012年3月期見込み(570億円)の1.5倍にも上積みする計画だ。同期間に、現在50%の海外売上高比率を56%まで伸ばすなど海外シフトを鮮明にしている。これは、とりもなおさず、新興国を含む世界経済が力強さを取り戻す楽観論に立脚しているといえる。

 「決算の発表を26日に控えておりますので、業績関連の質問はお答えいたしかねます」

 質疑応答の冒頭、伊藤文大社長が発したこの一言が中期計画の「性質」を物語る。クラレは2月、2012年3月期の営業利益の見込みを600億円から570億円へと小幅ながら引き下げた。最高益の更新には違いないが、円高に加え、主力品であるポバール樹脂などの需要の落ち込みが響いた。

 クラレはもともと、2019年3月期をメドに売上高1兆円、営業利益1500億円という「長期企業ビジョン」を掲げていた。これは2012年3月期の売上高(3720億円)、営業利益に対して、約3倍に伸ばすという強気な数字だ。

設備投資が過大にならないか

 ビジョンを本気で実現しようとすれば、業績の伸びは右肩上がりの直線ではなく、曲線を描き始めていなければならない。伊藤社長の言葉には、計画の起点となるべき前期決算において、勢いを付けられなかった苛立ちも垣間見えた。

 今回の中期計画も一里塚として、ビジョンがオン・ザ・ラインであることを強調せざるを得ない側面がある。そのために打ち出したのが一段の海外シフトだ。

 2015年3月期の売上高に占める海外の割合は56%と、前期見込みより6ポイントの上昇を見込む。北米、西欧だけでなく、特にアジアで大きく伸ばす方針だ。

 もっとも、クラレの設備投資は自前でのプラント建設が多くを占めており、着工してから収益に貢献するまでには、通常、数年のタイムラグが発生する。つまり、中期計画に盛り込まれた増収の根拠となる設備投資は既に進行中で、「今後、打ち出すものは、(収益に)貢献する時期がより後になると見込んでいる」(伊藤社長)。

 クラレは3年間で2400億円の設備投資を計画する。これは決定ベースのため、実際の現金の支出と等しくはならないが、それでも2011年4~9月期の営業キャッシュフローが277億円であることを考えれば小さくない水準だ。そして、その設備投資の大半を海外に振り向ける。

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「クラレ、「楽観論」の海外シフト」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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