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東芝、揺れるエルピーダ支援

2012年4月16日(月)

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東芝が経営破綻したエルピーダメモリの支援を巡り揺れている。DRAM事業は欲しいが、丸ごと抱え込むのはリスクが大きい。日韓連合という新たな戦略は、悩む東芝を救う一手になるか。

 「まだ手はある」――。

 会社更生手続きを進めるエルピーダメモリは、支援企業を決める第1次入札を、3月30日に締め切った。海外からは米マイクロン・テクノロジーや韓国のSKハイニックスなど数社、日本からは東芝が応札した。しかし、4月3日に明らかになった入札結果では、東芝はあえなく脱落する。それでも、東芝首脳は全く動揺せずに、次なる一手に自信を見せていた。

 入札に落ちた理由は明らかだ。東芝が提示した金額は700億~800億円程度と見られる。これはマイクロンが提示した金額の半分程度にすぎない。「その金額では到底、無理だろう」(国内証券のアナリスト)という金額で入札に参加したのは、単独で支援するという選択肢が、もともとなかったためだ。

 「エルピーダを丸ごと抱え込むのは、リスクが高すぎる」と東芝幹部は話す。かつて、DRAM事業は東芝の稼ぎ頭だったが、2001年に撤退を決断した。巨額の投資が必要なDRAM事業は市況が上昇すれば大きな利益をもたらすが、下落すれば損失が際限なく膨らむ。2002年3月期、IT(情報技術)バブルの崩壊とともに大幅な赤字計上を迫られた東芝は、DRAM事業と決別した。

 その当時、東芝の首脳は、「一発逆転のホームラン狙いから、ヒットで確実に得点を稼ぐ経営に変える」と話していた。この言葉通り、DRAMに費やしていた経営資源をNAND型フラッシュメモリーや原子力発電所などに配分し、ようやく安定した収益体質を構築できた。それだけに、わずか10年で再びDRAM事業に参入することに、「経営方針の一貫性が疑われる」として、社内では慎重論も根強いという。

 できる限り資金負担を抑えつつ、エルピーダの経営権を握りDRAM事業を手に入れられないか。このために編み出したのが、ハイニックスと共同で支援するという日韓連合のスキームだった。1次入札は別々に札を投じたが、2次入札では東芝とハイニックスが共同で応札するという方向で、あらかじめ調整が進んでいた。官民ファンドである企業再生支援機構から出資を仰ぐことすら、検討課題に入っている。

半導体は東芝の生命線

 こうした複雑な手法を駆使してまで、エルピーダ獲得に執念を燃やすのはなぜか。それは半導体事業の強化が東芝の生命線になっているからだ。2012年3月期にフラッシュメモリーを中心とする電子デバイス事業は900億円の部門営業利益を見込む。前期比では26%の増益だが、期初計画からは500億円の下ぶれになる。円高に加え、価格下落で採算が低下したためだ。

 2014年3月期までの中期経営計画では、全体の営業利益を今期計画の2.5倍となる5000億円に引き上げることを目標にする。牽引役は半導体だ。電子デバイス事業だけで全体の半分以上となる2700億円の営業利益を稼ぎ出さなければならない。もう1つの収益の柱である原子力発電所事業が、東日本大震災以降、かつてない逆風にさらされていることを考えても、半導体事業の強化は全社的な課題だ。

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「東芝、揺れるエルピーダ支援」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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