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安定性揺らぐシンガポール

移民の急増がもたらす混乱に国民の怒り

2012年4月19日(木)

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 シンガポール政府には「世界で最も効率的」というイメージがある。私自身もかつて、シンガポールで公共政策を学んだ。今でも、シンガポール政府内に多くの友人がいて、その優秀さに舌を巻いている。官僚というより、グローバル企業の幹部のような連中だ。

 シンガポールの国家運営は、国家より企業に近いと言われる。それに今、ほころびが見られる。そして、そのほころびに対する国民の不満が増している。今回はそれを紹介したい。

 「日本では『富裕層の脱出先はシンガポールだ』とか『シンガポール政府の効率的国家運営に学べ」とかまだ言っている人がいるのかな? シンガポールはダメだよ。だからジョージ・ヨー(前外務大臣)は先の選挙で落選したんだよ」。こう語るのは、シンガポールを拠点にマクロ経済分析を行うエコノミスト。元政府高官である。

 世界最大級の格付け機関のシンガポールオフィスで働く別の知人は「アジアの時代? どうかな? シンガポールを筆頭にこの地域の政治は不安定になってきている。シンガポール国民の政府への不満は根強い」と語る。

 シンガポール大学で教壇に立つ友人は「今の政府は明らかにミスを続けている。信じられない対応だ。1人当たりGDPがアジアで最高額となり、ゆるみが出ているのではないか」と指摘する。

 彼らのコメントは、匿名でしか伝えられない。容赦願いたい。読者の皆さんもお察しの通り、シンガポールでは、日本のようにオープンに政府を批判することはできない。

10年間で人口が100万人以上増えた

 先に紹介したマクロ経済の専門家と意見交換をした。「シンガポールのいちばんのカギであった政治の安定が揺らいでいる」ことを知らされた。主な要因は以下の4つ。どれも国民のお金に絡んだものなので切実だ

1.外国人の増加
2.公共交通機関の混雑
3.車の認証価格の高騰
4.住宅価格の高騰

 シンガポールの人口はこの10年間で100万人以上が増加している。一方、国家としては、日本以上の少子化に悩んでいる。よって、人口増加分の多くは、一時滞在の外国人労働者とその家族、永住権所持者(PR)である。東京と違い、街中でクレーンが稼働するシンガポールには、建設労働者への豊富な需要がある。カジノ、観覧車、テーマパークなどの観光施設が次々と建ち、サービス産業労働者も増加している。

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「安定性揺らぐシンガポール」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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