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オリンパスの病巣は放置されている

米ISSが指摘する疑惑の人事

2012年4月19日(木)

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 オリンパスが4月20日に開く臨時株主総会で提案する取締役候補について、議決権行使助言会社大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)が、株主に反対するように助言していることが分かった。

 議決権行使助言会社は、数多くの企業の株主になっている機関投資家に代わって議案を審議し、投資家に助言する。ISSは世界で1700以上の機関投資家を顧客に持つとされる大手。米国では、年金基金が加入者利益に配慮した議決権を行使することや、投資信託が議決権行使の方針を開示することが義務づけられている。それだけに、ISSの今回の助言は海外投資家の投票に少なからぬ影響を与えそうだ。

 ISSが機関投資家に送付した4月6日付けのレポートで、「反対すべきだ」としたのは、取締役会長候補とされている木本泰行・三井住友銀行元専務と、取締役候補の藤塚英明・三菱東京UFJ銀行元執行役員。

ISSが機関投資家に配布したオリンパスの会社提案に対する助言レポート。1ページ下にある表で、銀行出身役員などの選任に「AGAINST(反対)」とするよう助言している。

 レポートによると、2011年3月末時点で、三井住友銀行はオリンパスの株4.98%を握る大株主であると同時に、同社への融資額が909億円、三菱東京UFJ銀行も3.37%を握る大株主で、同社への融資額は782億円に上る。

 「日本の銀行は大株主であっても、株主の利益を犠牲にしても債権者としての利害を優先する傾向があると一般的に認識されている」と指摘。「両行による融資がこれだけ巨額であることを考えると、木本氏、藤塚氏が一般の株主の利害を最優先して行動することは期待できない」と、賛成すべきでない理由を説明している。

 それだけではない。日本の「メインバンク制度では本来、銀行は融資先企業を監督する立場にある。もし銀行が適切な監督を行う形でこの制度が機能していたら、オリンパスは今日の状況に陥っていなかっただろう。こうした点からも、そもそも木本氏及び藤塚氏が選任されることの妥当性そのものに疑問がある」と指摘している。

 三井住友銀行も東京三菱UFJ銀行も主力銀行としての責任を果たせなかった以上、候補になること自体、おかしいというわけだ。

「極めて株主を困惑させる事態」

 一方、ISSは、オリンパス執行役員から社長に就任予定の笹宏行氏についても「反対すべきだ」としている。

 「オリンパスは現在、抜本的事業再編から財務体質の改善、株主の信頼回復と膨大な経営課題を抱えている。通常の環境下で就任するなら問題はないが、先が読めない状況にあるオリンパスの社長を務めるだけの経験と資質を持ち合わせているとは言えない」と判断している。

 オリンパスが社長を含めた全取締役候補を発表したのは2月27日。だが、それ以降、オリンパスも笹氏も、今後の事業戦略や昨年末から模索している他社との資本提携を巡る方針などについて、株主に対する説明は一切行っていないという。

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「オリンパスの病巣は放置されている」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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