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北米ガス暴落、色めくアジア圏

  • 北爪 匡

  • ニューヨーク支局 細田 孝宏

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2012年4月25日(水)

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北米発の「シェールガス革命」の影響がアジア圏へ波及し始めた。北米ガス価格の大幅な下落によって、天然ガス・石炭の輸出圧力は強まる。日本はエネルギーの調達先分散やコスト戦略を見直す好機だ。

 4月11日、世界のガス業界に衝撃が走った。北米における天然ガスの先物価格が100万BTU(英国熱量単位)当たり1.98ドルという異常な安値をつけたのだ。直近の高値圏だった2008年夏が同13ドル台であることを考えればその低さがうかがえ、この10年の最安値まで下落した。

 世界的にエネルギー価格が高騰する局面において、この異変をもたらしたのは、北米発の「シェールガス革命」にほかならない。

 ここ数年、北米では地中深くの頁岩(けつがん)(シェール)層を砕いて採取する非在来型の天然ガスの開発が急速に進展。米国南部からカナダまで豊富な埋蔵量が確認されていることに加え、低コストの掘削技術が確立されたため、瞬く間に供給量は拡大した。

 当初は地産地消できる有望なエネルギー源として、歓迎的に受け入れられたこのガスも、急ピッチな開発と昨年からの北米の歴史的な暖冬によって、激しい供給過剰に陥った。その結果である今回の天然ガス価格の暴落が、エネルギー業界、とりわけ石炭産業に地殻変動を呼び起こそうとしている。

 「現実に目を向ける時だ」

 こう呼びかけながら、石炭火力発電の有用性を訴える60秒のテレビ広告が全米で展開されている。安価な石炭が、米国の電力供給にとってどれほど重要であるかをアピールするため、石炭の業界団体が始めたもの。石炭業界には、これまでにない切迫感が漂っている。

 上グラフの通り、天然ガスの供給拡大によって、米国の石炭産業は電力会社という最大の顧客を奪われようとしている。10年前には発電用燃料の過半を占めていた石炭のシェアは、今年には4割を下回る見通しだ。発電時の二酸化炭素排出量は天然ガスが石炭の6割程度と、環境面での劣勢もあって、その存在感は低下の一途をたどる。

「石炭転換」の足音

 全米が注目する、大統領による年頭の一般教書演説でも、今年は異変があった。オイルやガス、ソーラーという単語は使われたが、石炭を意味する「コール」は一度も使われなかった。バラク・オバマ大統領が就任して以来、初めての事態だ。

 日本の総合商社の間でも、今後2~3年内の「コールディスプレイスメント(石炭転換)」論がささやかれる。低価格を背景に燃料の需要を天然ガスが奪い、地位が低下した石炭に取って代わる。結果的に「需給が引き締まり、ガス価格が安定する」(住友商事の高井裕之・エネルギー本部長)との観測だ。

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