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小沢無罪で政局論ばかり語られるむなしさ

岩井奉信・日本大学法学部教授に聞く「政治とカネ」問題の本質

2012年4月27日(金)

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 政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)の疑いで強制起訴された民主党の小沢一郎元代表に対し、東京地裁は4月26日、無罪とする判決を言い渡した。小沢氏は資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡って、元秘書と共謀して収支報告書に虚偽の記載をしたとして起訴されていた。判決では、虚偽記載の事実があったことや小沢氏が報告を受け、了承していたことは認めたものの、共謀は認められないとして無罪を言い渡した。

 この裁判を巡っては、検察は嫌疑不十分で小沢氏を不起訴処分としたが、検察審査会が起訴相当の議決を出し、強制起訴となった経緯がある。また、捜査の過程で、検察官が事実に反する捜査報告書を作成していたことが明らかになり、検察の捜査手法に批判が集まった。

 小沢氏無罪となった今回の判決をどのように見るのか。「政治とカネ」の問題に詳しい、日本大学法学部の岩井奉信教授に話を聞いた。(聞き手は安藤 毅、小平 和良)

小沢氏に無罪の判決が出た。この結果をどう見るか。

岩井奉信(いわい・ともあき)氏
1950年東京都生まれ。76年日本大学法学部卒。81年慶応義塾大学大学院法学研究博士課程修了。2000年から現職。そのほかに、新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)の運営委員や政策研究フォーラム理事などを務める。

岩井:検察が立証できずに不起訴処分にした上に、捜査報告書の問題も出て、元秘書の供述調書が証拠採用されなかった。その時点で、無罪の可能性が高いとは思っていたので、判決は案の定という感じだ。

 判決要旨を読むと収支報告書の虚偽記載という不法行為の認定はしている。しかし、明確な共謀関係は認められないということで無罪判決が出た。つまり、疑わしきは罰せずということだろう。

 政治資金規正法違反はあった。しかし、それは元秘書の石川知裕・衆院議員らがやったことで、小沢氏が積極関与し、虚偽記載を命じたかどうかは検証できないということだ。そういう意味でグレーな印象を受ける。

 今回の無罪判決を受けて、新聞の政治部の人などは「これで政局がおもしろくなる」と話している。そりゃ、政治部の人にとってはおもしろいだろうけど、一般的な感覚で言うと、こんなに政治がむちゃくちゃで何がおもしろいんだろうと思う。

 みんな政局の話をするが、何で無罪になったのかを問題視しないといけない。誰もがおかしいと思うことを罪に問えないわけだから。小沢氏だからということで、政局の話になるのは分かるが、それだけでは悲しい。

無罪で明らかになった「政治とカネ」の不透明さ

 多くの人が語る「政局論」ではなく、「政治とカネ」の議論で言えば、今回の判決が有罪だった場合の方が問題は大きかった。

 なぜなら、有罪だと小沢氏個人の問題になってしまうからだ。政治資金規正法など制度そのものには問題なく、扱った小沢氏が悪辣卑劣な人間だったという属人論になってしまうのだ。

 今回、小沢氏が無罪ということは、つまり、今の制度では有罪にできないことを意味する。前回の政治改革からおよそ20年が経つ。その間にも、政治とカネの問題は次々起きている。検察も「政治とカネ」の問題を誰もやらないから、判例を取りにいくという面もあったのだろう。それが結局、無理な捜査につながったところもあると思う。

 政治資金の問題は法律だけで裁けないのも確かだ。検察頼みが危ないということも分かった。欧米のように、倫理審査会がしっかり機能すればいいと思う。政治改革は当時から不完全とは言われていたが、国民レベルで根本的に考え直さなければならないことは間違いない。

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「小沢無罪で政局論ばかり語られるむなしさ」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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