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モダン、電気、ウルトラ。共通点は何?

明治~昭和の「先進性を示す接頭語」の歴史

2012年5月9日(水)

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 開化、電気、文化、ハイカラ、モダン、流線形、デラックス、ウルトラ。さて、これらの言葉に共通する点は一体何でしょう?

 実は、以上の言葉はすべて「先進性を意味する接頭語」なのです。開化丼、電気館、文化住宅、ハイカラ造り、モダンガール、流線型ジャズ、デラックス特急、ウルトラC――いずれも、当時、「先進」とされたものでした(それぞれの言葉の意味は本文で後述します)。

 今回の「社会を映し出すコトバたち」は、ハイカラやモダンなど「先進性を表現する接頭語」について紹介します。対象とするのは明治から昭和にかけて登場した接頭語の数々。これらの接頭語が「先進性」をどのように表現したのか、探ってみましょう。

開化人・開化丼・開化鍋

 「散切り頭(ざんぎりあたま)を叩いて見れば、文明開化の音がする」。みなさんも学校の歴史の授業で見聞きしたことがある言葉でしょう。散切り頭とは、ちょんまげを切り落として刈り込んだ髪型のこと。1871年(明治4年)に断髪が奨励されたことをきっかけに大流行した髪型でした。この髪型が、庶民にとって「文明開化」の象徴だったわけです。

 「開化」という言葉は仏教用語で、かつては「教え導く」という意味でした。ところが幕末から明治にかけて「世の中が開ける」という意味に転化しました。また英語のcivilization(文明化)の訳語としても「開化」はよく充てられました。

 当時の日本にとって「世の中が開けること」や「文明化」とは「西洋化する」ことと同義。つまり「開化とは西洋化だった」と考えてもよいでしょう。

 さて識者にとっての「開化」が西洋化を意味した一方で、庶民にとっての「開化」は「西洋かぶれ」や「先進的もの」などを意味しました。例えば島崎藤村の「破戒」(1906年)に、こんな一節が登場します。「勝野君なぞは開化した高尚な人間で、猪子(いのこ)先生の方は野蛮な下等な人種だと言ふのだね」。

 そして「開化」は、格好良いものを表すようにもなります。例えば文型開化の洗礼を受けた人のことを「開化人(かいかじん)」と呼びました。また牛肉でつくる他人丼を「開化丼(かいかどんぶり)」、現在のすき焼きのことを「開化鍋」と言いました。牛肉を食べる習慣が明治以降に一般化したことと、開化の先進的イメージが合体した命名だったものと思われます。

 もうひとつ面白い用例に、当時の日本で流行した「開化髭(ひげ)」があります。これは、両端を「逆への字」型にした口髭のこと。ドイツの皇帝ウィルヘルム二世がこの形の髭をたくわえていたことから、元々はカイゼル髭(皇帝髭の意)と呼んでいました。カイゼル髭と開化髭は発音が似ているので、洒落による命名という可能性もありそうです。

電気ブラン・電気館

 文明開化の象徴と言えば、「電気」もその一つでした。東京・銀座に初めて電灯(アーク灯)が灯ったのが1882年(明治15年)のこと。既にあったガス灯に比べて、はるかに明るい照明でした。当時の銀座には、電灯目当ての客がたくさん集まったと言います。

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「モダン、電気、ウルトラ。共通点は何?」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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