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「郵政解散」再現の覚悟

2012年5月7日(月)

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消費増税は小沢一郎民主党元代表の無罪判決で視界不良に。剣が峰の野田佳彦首相だが、「解散権」を持つ強みは大きい。チキンレースの先に、乾坤一擲の勝負をうかがう。

 資金管理団体の土地取引を巡る事件で東京地裁が4月26日、民主党の小沢一郎・元代表に無罪を言い渡した。

 全体としては“グレー”だが、“黒”とまでは言えないという薄氷の判決。小沢氏の説明責任はなお残るものの、党員資格停止処分の解除が早くも俎上に載るなど、復権への動きは急ピッチだ。

 「資格停止を解除したら、次は要職への復帰。それから、野田降ろしだ」。小沢氏に近い議員はこう語る。

 小沢氏が得意な選挙対策ポストなどに就いて影響力を回復。野田佳彦首相が「政治生命を懸ける」とする消費増税関連法案は「国民への裏切りだ」と衆院での採決阻止へグループを挙げて注力する。同法案を継続審議にし、9月の民主党代表選で小沢氏自身か、別の対立候補を擁立し、野田首相を引きずり下ろす――。小沢氏周辺はこんなシナリオを描く。

ヤマ場は6月か

 焦点の消費増税関連法案の国会審議は5月の大型連休明けから始まる。審議の進捗次第だが、最大の難関となる同法案の衆院採決は早ければ6月中にも行われる公算だ。仮に野党の全員が同法案に反対した場合、与党から56人が反対に回れば否決される。

 ある民主党の閣僚は「選挙基盤が弱い小沢グループのほとんどは衆院解散・総選挙を避けたいのが本音。野田首相が解散するのが怖いので、採決時に50人規模の造反が出るのは難しいはず」と見る。それでも確実に成立する見通しが立たない以上、野田首相が期待するのが自民、公明両党との協力だ。

 自民党のある幹部は「民主党がマニフェスト(政権公約)の最低保障年金の撤回などに応じ解散を約束すれば、消費増税関連法案に賛成できる」と話す。小沢グループなど「マニフェスト堅持派」を切れるのか、ボールは野田首相側にあるというわけだ。

 自民などから協力を取りつけるうえでもう1つの大きな壁になっているのが、民主党執行部の消極姿勢だ。

 輿石東幹事長らは、解散環境の整備につながる選挙制度改革の与野党協議の調整に本腰を入れず、野田首相が4月中と望んだ消費増税関連法案の審議入りも先送りした。早期解散の阻止が背景にあるのは周知の事実だ。

 包囲網が狭まる中、野田首相は消費増税関連法案の今国会での成立にこだわる姿勢を崩さない。周辺の複数の議員、政府関係者はその胸の内に関し、こう口を揃える。「野田さんは、郵政解散の再現を念頭に置いている」。

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「「郵政解散」再現の覚悟」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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