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農水省vs小売り、不毛な対立

  • 佐藤 央明

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2012年5月10日(木)

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食品の放射性物質を巡り、農水省の通知が波紋を広げている。「独自基準は控えよ」との通知に、民間側は猛反発した。だが自主検査も万能ではない。官民の協力体制こそが必要だ。

 「無農薬野菜なら堂々と売ってもいいが、『無放射性物質』をうたってはいけないということか」。ある小売業関係者は眉をひそめる。

 農林水産省は4月20日、食品業界に対し、「国より厳しい放射性物質の独自基準を設けることは控えてほしい」と通知した。この通知に、スーパーや生活協同組合などの企業や団体が反発している。

 農水省の通知には2つの目的があった。4月1日に施行された食品の放射性物質に関する新基準の周知徹底と、主に生産者から寄せられていた強い要望に応えることだ。

 生産者側はスーパーなどが独自に基準値を定めていることに不満を募らせている。中でも昨年11月、イオンが「放射性物質ゼロを目標にする」と発表し、生産者はパニックに陥った。農水省関係者は「農家に加え、農林族の国会議員からも『イオンの自主基準はあまりにひどい』という意見が多数寄せられていた」と話す。それだけに、今回の通知によって溜飲を下げた生産者は多いという。

 一方、自主基準を槍玉に挙げられた民間側の怒りは収まらない。厳格な独自基準を設ける生鮮宅配大手の大地を守る会で放射能対策特命担当を務める戎谷徹也氏は「国の検査体制に、消費者が相当な不信感を持っているから自主基準を設ける流れになった。自主基準を控えろと言うなら、信頼されるものを作ってほしい」と憤る。

 農水省が通知の中で同時に発表した、「信頼できる分析の要件」にも反発が起きている。その中身を見ると、「分析者は定期的に外部の技能試験を受ける」「組織管理や分析者の教育などのマネジメント体制を構築」など、分析方法の要件がズラリと並ぶ。「独自に測定機器を使っている民間団体には、とてもクリアできない無理難題」(小売関係者)と怨嗟の声が上がる。

 さらに、生活クラブ連合会は自らのホームページ上で、「農水省よりこの件で面会を求められ、日程を5月上旬に設定していた」と説明している。農水省はその面会を待たずに20日に通知を出したことになる。こうした経緯も反発が拡大した理由のようだ。

 民間側の猛烈な反発を受け、農水省側は急速にトーンダウン。鹿野道彦農水相は、「強制ではない。民間の取り組みを否定するものではない」と話すなど、釈明に追われている。

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