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オランド政権はEU協調に舵をきれるか?

財政条約に背を向けてはユーロは安定しない

  • 森井 裕一

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2012年5月9日(水)

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 フランス国民は社会党のオランド候補を新大統領として選出した。フランスのシステムでは、第1回目の投票で過半数を確保した者がいなければ、上位2人の候補を対象に決選投票を実施する。そのため当選者は必ず過半数以上の得票をする。オランド候補は約51.7%の支持を受け、48.3%の現職サルコジ大統領を退けた。こうして5月15日にオランド新大統領が誕生することになった。

 敗退したサルコジ大統領が戦ったのは、実際にはオランド候補ではなく、5年前の自分の公約であったと言ってもよいのではないだろうか。経済システムを刷新し、フランス産業の競争力を高め、雇用を創出して失業を減らす。こう主張してサルコジ大統領は誕生した。しかし市民の目には、富裕な友人たちを優遇しただけに見えた。年金支給開始年齢は引き上げられ、労働時間も長くなった。欧州経済危機の中でドイツが主導する緊縮策を導入し、国家の歳出を切り詰めたためにさらに生活が苦しくなった。これらが、多くの市民の感覚であったのだろう。

 フランス国民はオランド候補の政策や、ましてイデオロギーを熱狂的に支持したわけではない。サルコジ大統領の政策に対する失望が、オランド候補の支持に向かったと言えよう。

 第1次投票で苦戦したサルコジ大統領は、極右国民戦線支持者の票を得るためにさまざまな右寄り政策を選挙期間中に訴えた。欧州統合の一つの象徴である国境を越える自由なヒトの移動を、犯罪防止や不法移民対策のために一時的に停止する可能性にまで言及した。だが結局、極右支持者は、サルコジ大統領が期待したほどには決選投票で同氏に投票しなかった。また中道バイル候補の票は、右旋回するサルコジ大統領を嫌ってオランド候補に流れた。

オランド新政権が成長戦略に大きくシフトすることは難しい

 オランド候補は、サルコジ大統領がメルケル独首相とともに作り上げたEUの財政条約はフランスの景気を悪くし、経済成長を妨げると批判した。そして自らが大統領になったら成長戦略をとることを公約して市民の支持を得た。

 だが、実際にそのような政策をフランスが展開できるとは考えにくい。EUの財政条約は、ギリシャやポルトガルなどいくつかの国で批准手続きが既に終了している。5月末にはアイルランドで国民投票が予定されている。この条約本体を今から再交渉できる可能性はほとんどない。

 オランド新大統領は、単なる緊縮策によって財政均衡を目指すのではなく、成長戦略をEUレベルで導入すべきであると言っている。したがって、何らかの追加的な政策を導入する可能性が高い。

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