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パナ「介護まるごと」の本気度

2012年5月11日(金)

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パナソニックが高齢者向け賃貸住宅事業に参入した。国が主導する介護付き住宅の供給拡大を見越した動きだ。「製品+サービス」の発想で、売り上げ倍増を狙う。

居室の面積は18平方メートルで月額料金の目安は約17万円。備品の多くはパナソニック製だ

 JR学研都市線津田駅から徒歩15分。大阪の丘陵地に広がる住宅街の一角に4月、パナソニックが初めて手がけた高齢者向け賃貸住宅がオープンした。

 施設名は「エイジフリーハウス枚方津田」。3階建ての建物の2~3階部分が総戸数18戸の高齢者向けの賃貸住宅で、1階部分には、周辺に住む高齢者向けに通所や宿泊の介護サービスを提供する居宅介護の拠点を併設した。施設内には介護専門の職員が常駐し、入居者はいつでも入浴介助や健康相談などの有料サービスを受けられる。

 賃貸住宅の居室の面積は約18平方メートルで、トイレ付きシャワー室や車いす対応型の洗面化粧台、照明など備品の多くはパナソニック製。家賃や食費にリネン交換などのサービス費を合わせた月額料金の目安は約17万円と、「有料老人ホームなどに比べると少ない負担で入居できる」(同社)という。

 パナソニックは既に同じ大阪府内で2棟目の建設に着手しているほか、2012年度中に各地で用地確保の交渉を進め、将来的には首都圏と近畿圏にそれぞれ約15棟ずつ、同様の施設を建設する考えだ。

総世帯の4分の1が高齢者に

 主力のエレクトロニクス部門の陰であまり目立たないが、パナソニックは電動ベッドや車いすなど介護用品の製造・販売を手がけ、グループ会社を通じて訪問介護や介護用品のレンタル事業なども展開している。介護事業の従業員数は約2600人。2010年度の売上高は約200億円と、専業大手に肩を並べる規模を持つ。

 そのパナソニックが賃貸住宅まで手がけるのは、高齢者向け住宅市場の成長が見込まれているからだ。国土交通省などの予測によると、2010年に1000万世帯だった高齢者の単身・夫婦世帯数は2020年には1245万世帯に増加する見通し。国内の総世帯の実に4分の1が高齢者だけの世帯になると見込まれている。

 一方、高齢者の総数に対する高齢者向け住宅の比率はわずか0.9%(2005年)。高齢者に適した住宅は圧倒的に不足しており、国はこの比率を2020年までに3~5%に引き上げる戦略を掲げている。

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「パナ「介護まるごと」の本気度」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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