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問題は資源の膨大な無駄遣いだ

スティグリッツ氏、大いに語る

2012年5月15日(火)

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経済学の存在価値が問われる中、経済研究所INET*1がベルリンで国際会議を開催した。ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ氏が会議で世界経済が直面する課題を語った。人材すら十分活用しない現状は、危機前にも増して資源の無駄遣いだと痛烈に批判した。

*1=金融危機を受け投資家ジョージ・ソロスが新たな経済理論構築のため2009年に設立。Institute of New Economic Thinkingの略

写真:Shmulik Almany、IMAGELINK

ジョセフ・スティグリッツ氏

1943年生まれ。米アマースト大学卒業後、米MITや英ケンブリッジ大学で学ぶ。95~97年にビル・クリントン政権で大統領経済諮問委員会委員長、その後、世界銀行でチーフエコノミストも務めた。2001年にノーベル経済学賞受賞。現在は米コロンビア大学で教壇に立つ。

 2008年の金融危機以降、我々経済学者は、危機の原因分析や危機の解決に経済学が役立っていないという問題に直面している。政策と経済の関係は密接だ。まず指摘しておきたいのは、これまでの経済学の理論の根本には欠陥があり、その欠陥が今回の危機を生み出したということだ。

危機を招いたFRBの責任は重い

 米連邦準備理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン前議長やベン・バーナンキ現議長が主張してきた「市場は自己規律的だから規制しなくても勝手に安定し、効率的に機能する」という考え方は、欧米に広く浸透したが、この考え方には何の理論的根拠もない。

 この理論に問題点があることを指摘していた経済学者はいた。融資が行き過ぎるとどんな事態が発生したのか、バブルが発生し崩壊すると過去にどんな事態が起きたのか、についても様々な理論が構築されていた。だが、FRBやFRBの考え方を支持していた経済学者は、「自分たちは正しい」と信じ込み、莫大な利益を上げていた銀行の利害ばかりに注意を払い、あの危機を引き起こした。指摘があったにもかかわらず、耳を傾けることなく危機を招いたという意味で彼らの責任は極めて重い。

 ただ、今の危機に対し経済学としてなすすべがないわけではない。考えるための構成要素は揃っている。金融市場にとって都合のいい理論ではなく、それらの構成要素を使って理路整然とした新たな経済理論を打ち出す必要がある。だからINETが設立されたわけで、これに我々は今、取り組んでいる。

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「問題は資源の膨大な無駄遣いだ」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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