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燃えるスカイツリー争奪戦

2012年5月16日(水)

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開業を間近に控えた今年最大級の観光スポット、東京スカイツリー。水面下では特需を当て込んだ、企業間の激戦が繰り広げられている。ビール納入、人材採用支援…。知られざる波及効果の争奪戦を追った。

 展望台入場券の倍率が最高335倍を記録するなど、チケット争奪戦が過熱する「東京スカイツリー」。この特需にあやかろうと、企業の間でも壮絶な戦いが繰り広げられている。

“城下町”に食い込んだキリン

キリンのスカハイは下町に縁ある文豪などに絡めた飲み方を提案。アサヒの牙城に食い込んだ

 「大健闘と言っていい数字」と胸を張るのはキリンビールマーケティング(KBM)販売推進3部の島田新一部長。スカイツリーに併設する商業施設「東京ソラマチ」の飲食店で、「圧倒的に不利」と言われた中、キリンは生ビールで約3割、瓶を含めたビール全体で約5割のカバー率を達成する見込みだ。

 スカイツリーのお膝元である東京都墨田区は、キリンの“仇敵”であるアサヒグループ本社のある浅草から目と鼻の先だ。アサヒはスカイツリーのオフィシャルパートナーにも名を連ねる。周辺の飲食店はアサヒの牙城で、キリンにとっては長年の「鬼門」だった。手をこまぬいていては、アサヒに惨敗することが目に見えている。キリンの反攻は、スカイツリーという本丸の周辺から“籠絡”する、名づけて「城下町作戦」(島田部長)からスタートした。

 昨秋、墨田・台東エリアの営業や洋酒担当者が集まって、「チームスカイツリー」を結成する。そこで営業マンの考案した戦略が、キリンのスコッチウイスキーで作ったハイボール「スカハイ」の売り込みだった。マーケティング部門ではなく、エリア担当の営業マンが企画を提案することは、異例の出来事だった。

 営業マンが回るのは、アサヒが幅を利かせる地元の飲食店ばかり。生ビールの取り扱いをひっくり返すのは至難の業だが、洋酒ならば食い込む余地がある。昨年10月以降、2カ月で110店の営業成果を勝ち取った。スカイツリー開業までに、この数字を300店まで引き上げる目標だ。

 城下町への侵食を果たしたキリンは、本丸のソラマチに歩を進める。だが、ここでも逆風からのスタートとなった。

 「テナントの状況を見て驚いた。うちの商品を取り扱っている店は1割以下。完全にアウェーだった」と現場を担当したKBM販売推進3部の栗田知明・課長代理は打ち明ける。そこで決行したのが、ソラマチ出店テナントを集めた「浅草ツアー」だった。地方の飲食店が多いので、下町の繁盛店などを地元の営業マンが案内した。参加した地方店の社長は、「私が知らない東京を案内しようという心意気が伝わってきた」と話す。ツアーがキリン納入の決め手となった店も少なくないという。

 これまでのビールの営業と言えば、「生ビールを取られたら白旗」という雰囲気があったという。だが今後は、生ビールの納入で敗れても瓶を売り込み、それもダメなら違う酒類を売り込む。キリン商品を置いてくれる店を、貪欲に追い求めていく構えだ。

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「燃えるスカイツリー争奪戦」の著者

瀬戸 久美子

瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経WOMAN編集部

旧・日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経WOMAN、日経TRENDY、日経ビジネス編集を経て2013年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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