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「取りやすいところから取る」で健保は危機に

高齢者医療負担が企業健保にのしかかるわけ

2012年5月17日(木)

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 企業と個人の健康保険料など社会保障負担がまた増えようとしている。特に大企業などの健保組合は、2008年度の高齢者医療制度発足以来、負担が急増し、9割が赤字に陥っている。財政危機は保険制度の危機にもつながる。健康保険組合連合会の白川修二専務理事に危機の深さと対策を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス編集委員 田村賢司)

大企業や中堅企業などの健康保険組合は高齢者医療への負担金で財政が非常に厳しくなっている。

白川修二(しらかわ・しゅうじ)
1948年生まれ。1971年、東芝入社。2007年、東芝健康保険組合理事長。2009年、健保連常務理事、2010年同専務理事就任

白川:健保には自営業者やパート、フリーターなどの一部が加入する国民健康保険、中小企業などの協会けんぽ、公務員を中心とした共済組合、そして大企業が単独や自社グループ、あるいは中堅企業などが業界単位で組織する健保組合がある。

 我々の健保組合は1435あるが、2008年度以降、今年度(予算)まで5年連続の大幅赤字になろうとしている。2012年度はまだ予算の早期集計段階だが、5782億円もの赤字見通しだ。なぜそうなっているかと言えば、健保組合は高齢者医療への負担金が非常に重くなっているからだ。

 現在の保険制度では高齢者医療の財政の相当部分は、現役世代が支える形になっている。2008年度に75歳以上の高齢者を従来の健保から切り出し別立ての後期高齢者医療制度を発足させて以後、その後期高齢者医療制度と、国保に今も加入している前期高齢者(65歳以上75歳未満)などへ支援金、納付金と称して多額の拠出をすることになったためだ。

 この負担が重く、2009年度(決算)は2兆7000億円と、健保組合の保険料収入の45.6%を占めるまでになっている。2012年度は、さらに膨らんで3兆1355億円で46.2%に達する見通しで、実に健保組合収入の半分近くが加入者の医療費以外に使われる格好になっている。赤字の最大要因はここにある。

 高齢者医療への財政負担は、協会けんぽや国保も行っているが、こちらには国費も投入されている。健保組合と共済組合にはそれがないことも勘案して言えば、実態は健保組合などが高齢者医療財政のかなりを支えているということだ。

「国費負担を健保組合につけ回し」

2013年度にはその負担が、さらに増える可能性がある。

白川:我々には極めて厳しい話だが、その動きがある。今、後期高齢者医療制度への支援金は、その3分の1を報酬、残り3分の2を健保の加入者数に応じて負担するようになっている。報酬が高かったり、加入者数が多かったりする程、負担も大きくなる形だ。

コメント5件コメント/レビュー

役所のたかり行政そのまま。役人の共済会はどうなっていますか。同様に負担をしていますか。こっそ雇用者=政府=税金分を増やして、個人負担は軽減していませんか。(2012/05/17)

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「「取りやすいところから取る」で健保は危機に」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

役所のたかり行政そのまま。役人の共済会はどうなっていますか。同様に負担をしていますか。こっそ雇用者=政府=税金分を増やして、個人負担は軽減していませんか。(2012/05/17)

給付に関する今の制度を守ろうとするのが無理でしょう。保険なんて本来、共助の制度なんですから、そこに税金で集めた国費やら赤字国債なんて論外。健保組合にお願いできるのは黒字分までにして、先ずは高齢者に対する1割などという負担の見直しからですね。(2012/05/17)

実に日本の根本問題だ。去年から2度違う病院に入院した(50代なのでともに外科的要因)が、そこで見たものはたいへんな実態だった。高齢者は病院の膨大な負担(公費も)で生命を長らえているのだ。日本が長寿世界一ということの実態だ。厚生省の甘やかし(憎まれ者になれない)がこんなことにしてしまったのか。 日本を作ってきた働き者の親世代だから大事にしなければならないのはわかっているが。(2012/05/17)

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