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バーゲン「後ろ倒し」の大博打

2012年5月18日(金)

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三越伊勢丹とルミネが今夏のバーゲンセールの開始を遅らせることを決断した。これが百貨店業界やアパレル業界で、大きな波紋を呼んでいる。「日本の産業を守る」というセールの「後ろ倒し」は果たして成功するのか。

 「バーゲン開催時期の適正について」

 4月19日、アパレルメーカーなどにこう書かれた文書が届いた。送付元は東日本旅客鉄道(JR東日本)の子会社で駅ビルを運営するルミネ。同社は今夏のバーゲンセール開始時期を例年の7月初頭から2週間ほど遅らせ、7月中旬に始めると決定した。そこで、ルミネに出店するテナント各社に、開始時期への理解と徹底を依頼する書類を配布したのだ。

 そもそもの発端は三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長の発言にあった。大西社長は昨年冬、現在のバーゲンセールのあり方を見直すべきだとぶち上げた。

三越伊勢丹ではセール以外にも業態開発に取り組む(写真:山本 琢磨)

 百貨店にとって、夏と冬のセールは年2回の書き入れ時だ。百貨店各社は売り上げが落ち込む中で、少しでも需要を喚起しようと、年々、セールの時期を前倒ししてきた。特にここ数年はその傾向が顕著だった。そのため、梅雨も明けていない6月下旬から、夏物の衣料品が割引価格で販売されるようになった。

 一方で、ファッションを先取りするよりも実際の気候に合わせて衣料品を買う消費者は増えている。その結果、暑さが本格化して夏物が最も売れる時期に、百貨店が安売りを始めるという不合理な現象が起こっていた。

三越伊勢丹がセールを「適正化」

 三越伊勢丹はこうした不毛な習慣を是正する必要があると判断。今まで7月頭に始めていたセールを、今夏から2週間程度、遅らせる決断を下した。

ルミネの新井良亮社長はセール「後ろ倒し」に力を注ぐ
(写真:古立康三)

 駅ビル大手のルミネも、三越伊勢丹と同様の考え方に基づいて「後ろ倒し」を決めた。「最需要期に通常価格で販売し、本来のあるべき姿に戻すこと。これがモノ作りの川上にあるアパレルメーカーや原料産地を守り、ひいては日本の産業を守ることにもつながる」と同社の新井良亮社長は力説する。

 セールの期間は色やサイズの欠品が増え、来店客に十分なサービスを提供できなくなる。これを防ぐためにも、ルミネはあえてテナント各社に冒頭の依頼書を出したのだ。

コメント1件コメント/レビュー

日本は何故か世界で一番『商売の利益率が低い』社会になってしまった。昔は流通先進国と比べて『卸、仲卸、等の流通に於ける中間業者が多く、無駄な費用が発生していた』と評された。その後、大手スーパーや量販店等の進出により、『直接仕入れ、直接販売』が普及した。結果値下げ競争が激化し、円高で外国から格安の商品が入る様になって安売りは更に激しくなった。 店舗での安売り合戦に加えてネット販売も送料を安くしたりして量販やスーパーの安売り以上の廉価で商品を提供する様になり、安売り競争が止まらない。ジーンズを、A社が材料も含めて全て中国製で安売りをしたら、B社はより労賃の安い『ベトナム』での加工で更に安いジーンズを発売、C社はもっと安いバングラデシュ、と言った具合に留まる事が無い。 こういった流れの行き着く先にどの様な商品の供給体制が出来上がるのか、当事者達がどう思っているのか本音を聞きたいものだと思っていた。 そこにこの記事である。 三越伊勢丹は『これ以上の安売り競争からは手を引きたい。』と言う事なのだろう。結果、倒産するかも知れないし、この様に『節度ある』店から安心出来る商品を買いたい、という消費者も出て来るかも知れないが、大方は他の店に流れるのではないか。 誰でも作れて、誰でも売れる商品を扱っている業界では避け様が無い。 然も、日本の会社は『たとえ利益が出なくても会社が存続する事が大事。』と考えるところが殆ど。アメリカ等では利益が出なくて株主に配当すら出来ない会社は倒産するか経営者交代かのどちらかだろう。 日航の再建でも分かる様に、一端会社を倒産させると、通常では不可能な改革が容易く実行出来るので、アメリカでは結構大きな会社でも破産してから再生する事を大きな抵抗無しに実行している様に思える。 日本は『破産』そのものが最悪の事柄として認識されているので、最後の最後まで倒産の回避に頑張ってしまう。 三越伊勢丹も合併後大改革を実施したという話は聞こえて来ないので、この辺りで一端倒産させ、より競争力のある会社に生まれ変わる機会であるかも知れない。(2012/05/18)

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「バーゲン「後ろ倒し」の大博打」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本は何故か世界で一番『商売の利益率が低い』社会になってしまった。昔は流通先進国と比べて『卸、仲卸、等の流通に於ける中間業者が多く、無駄な費用が発生していた』と評された。その後、大手スーパーや量販店等の進出により、『直接仕入れ、直接販売』が普及した。結果値下げ競争が激化し、円高で外国から格安の商品が入る様になって安売りは更に激しくなった。 店舗での安売り合戦に加えてネット販売も送料を安くしたりして量販やスーパーの安売り以上の廉価で商品を提供する様になり、安売り競争が止まらない。ジーンズを、A社が材料も含めて全て中国製で安売りをしたら、B社はより労賃の安い『ベトナム』での加工で更に安いジーンズを発売、C社はもっと安いバングラデシュ、と言った具合に留まる事が無い。 こういった流れの行き着く先にどの様な商品の供給体制が出来上がるのか、当事者達がどう思っているのか本音を聞きたいものだと思っていた。 そこにこの記事である。 三越伊勢丹は『これ以上の安売り競争からは手を引きたい。』と言う事なのだろう。結果、倒産するかも知れないし、この様に『節度ある』店から安心出来る商品を買いたい、という消費者も出て来るかも知れないが、大方は他の店に流れるのではないか。 誰でも作れて、誰でも売れる商品を扱っている業界では避け様が無い。 然も、日本の会社は『たとえ利益が出なくても会社が存続する事が大事。』と考えるところが殆ど。アメリカ等では利益が出なくて株主に配当すら出来ない会社は倒産するか経営者交代かのどちらかだろう。 日航の再建でも分かる様に、一端会社を倒産させると、通常では不可能な改革が容易く実行出来るので、アメリカでは結構大きな会社でも破産してから再生する事を大きな抵抗無しに実行している様に思える。 日本は『破産』そのものが最悪の事柄として認識されているので、最後の最後まで倒産の回避に頑張ってしまう。 三越伊勢丹も合併後大改革を実施したという話は聞こえて来ないので、この辺りで一端倒産させ、より競争力のある会社に生まれ変わる機会であるかも知れない。(2012/05/18)

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