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沖縄は“独立”できるか

本土復帰40周年、託される自立への道程

2012年5月17日(木)

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沖縄復帰40周年記念式典で式辞を述べる、野田佳彦首相(写真/大湾 朝太郎)

 「私たちは、世界の重心がアジア太平洋地域に移りつつある歴史の変動期を生きている。それはすなわち、アジア太平洋の玄関口として、沖縄が新たな発展の可能性を身にまとったことを意味する」

 2012年5月15日。沖縄県宜野湾市で行われた「沖縄復帰40周年記念式典」で、野田佳彦首相は日本経済における沖縄の重要性に触れつつ、国と沖縄県が手を携えながら医療、環境、人材育成などの分野を中心に自立型経済を発展させるとの抱負を述べた。式典には仲井眞弘多・沖縄県知事をはじめ、衆参両議院議長や最高裁判所長官など錚々たる顔ぶれが並んだ。

過去40年で約10兆円の振興予算を投下

 本土復帰から40周年を迎えた沖縄。1972年から81年までの「第1次沖縄振興開発計画」を皮切りに、沖縄では1972年以降、10年ごとに4度にわたる振興開発計画を策定してきた。「本土との格差是正」や「自立的発展の基礎条件の整備」などを柱に、過去40年間で10兆円規模の振興予算が国から投下された。

 しかし、沖縄経済は依然として多くの課題を抱える。復帰後の沖縄県の失業率は常に全国平均より高く、2012年3月時点で6.8%。1人当たりの県民所得も2009年度で204万5000円と、47都道府県のワースト3に入る。

 こうした現実に目を向ける限り、過去40年に及ぶ沖縄振興の成果には疑問が残る。そんな中、40周年の節目を迎える直前の3月30日、沖縄に関連する2つの新法が成立した。これにより、沖縄の振興計画は従来とはまったく異なる意義と方向性を持つことになる。

 今回成立した法律の1つが「改正沖縄振興特別措置法」(以下、沖振法)だ。長年にわたり示してきた「民間主導の自立型経済の発展」という沖縄振興の基本方向を躍進させることに主眼を置く。

改正沖縄振興特別措置法の主なポイント

1. 沖縄振興計画

  • 国が「沖縄振興基本方針」を、県が「沖縄振興計画」を策定
     ※従来は、県が「沖縄振興計画」原案を作成し、国が決定

2. 産業の振興

  • 観光地形成促進地域を創設(県知事が指定)
  • 通訳案内士法の特例で、研修を受講すれば有償外国語ガイドが可能
  • 特定免税店制度を拡充し、免税対象に海路客を追加
  • 航空機燃料税の軽減措置で、本土と宮古島・石垣島・久米島を結ぶ路線を追加
  • 情報通信産業振興地域および特別地区を拡充
  • 産業高度化・事業革新促進地域を創設(県知事が指定)
  • 国際物流拠点産業集積地域を創設(地域全体に所得控除を適用)
  • 金融業務特別地区の拡充
  • 電気の安定的かつ適正な供給の確保のため、免税対象にLNGを追加

3. 雇用の促進等

  • 人材の育成等に関する努力義務規定を創設

4. 文化の振興等

  • 子育て支援の配慮規定、障害者援助の努力義務規定を創設
  • 科学技術の振興に関する努力義務規定を拡充

5. 均衡ある発展

  • 交通の確保等に関する配慮規定を拡充
  • 情報流通の円滑化および通信体系の充実に関する配慮規定を創設

6. 基盤の整備

  • 一括交付金を交付する規定を創設

7. 沖縄振興審議会

  • 審議会の設置と、その他の必要な規定を継続

8. 附則等

  • 酒税、揮発油税の軽減措置の延長。所有者不明土地の実態調査等に関する規定を創設

 沖振法のポイントは、10年間の振興の方向性を示す「沖縄振興計画」を策定する際の主体を、国から沖縄県に移行した点にある。国主導だった沖縄振興が、初めて県主導となるのだ。

 これにより、5月11日には政府と沖縄県の代表による「沖縄政策協議会」が開かれ、那覇空港を国際物流拠点として充実させ、観光客の受け入れ態勢を強化するために第2滑走路の整備を図ることなどを盛り込んだ、新たな沖縄振興計画の基本方針を打ち出した。この方針を踏まえ、沖縄県は本土復帰40周年を迎えた5月15日に第五次に当たる振興計画を策定し、仲井眞県知事が野田首相に提出した。

 国からの交付金のあり方も変わる。これまでは国によって用途が定められていたが、今後は沖縄県が主体となって使途を自由に決められる。一括交付金の総額は1500億円。県や市町村が自己裁量で使えるようになることで、より住民の細かなニーズに対応しやすくなるのではと期待が高まる。

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「沖縄は“独立”できるか」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

瀬戸 久美子

瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経WOMAN編集部

旧・日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経WOMAN、日経TRENDY、日経ビジネス編集を経て2013年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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