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中国は「遅すぎた合意」と思っているかもしれない~日中韓FTA交渉開始合意

中韓協定が中国にもたらす“一石三鳥”効果

2012年5月18日(金)

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 日中韓の3国は5月13日、北京で開催した第5回日中韓サミットで「日中韓投資協定」を締結した。「日中韓投資協定」は、経済分野における3カ国間の初めての法的取決めとなる。「マイルストーン的な意味」を有すると中国側は高く評価している。

 3国は同時に、日中韓FTA締結交渉を年内に開始することも決めた。この期限設定について、中国は「遅すぎた合意」と思っているかもしれない。中国は経済の対外依存度が高く、東アジア経済統合(ASEAN+3)を積極的に推進しているからだ。

WTO効果で、貿易・投資自由化に対する中国の抵抗は少なくなった

 中国は、政府主導でFTA戦略を展開できる制度的・社会的環境を持つ。中国の世論においても、日中韓の投資協定やFTA交渉に対する異議の声はあまり聞かれない。かつてWTOへの加盟について賛否が伯仲して頃とは状況が大きく異なる。EPAやFTAをてこにした経済活性化戦略について、国内の意見集約ができないでいる日本とは対照的だ。

 中国が自由貿易体制の推進・拡大に力を入れる理由は大きく3つある。1つは、WTOに加盟して以降、中国が貿易自由化のメリットを満喫している点。これが中国国内の貿易自由化反対論の勢いを弱めさせた。

 第2は、世界各国において、中国が貿易を拡大する障害となる事態が生じていることに対する懸念である。中国がダンピングを行なっているとの訴えやセーフガードの発動、中国企業からの投資に対する抵抗が、多く見られるようになった。このため貿易と投資の自由化を進める体制づくりは中国にとって、より切実な思いとなっている。

 第3は、さまざまな多国間自由貿易協定の進展具合だ。WTOにおいて自由化プロセスが停滞している。最近では米国によるTPPの推進が、中国の通商政策をFTA戦略に向わせた。

中国にとってFTA戦略は経済だけの問題ではない

 FTAを締結する意義について、中国は日本よりも広い視野で考える傾向がある。経済・産業への影響はもちろん、政治・外交上の戦略的意味も考量する。日本はFTAが与える影響を、経済・産業のプラス・マイナスを中心に議論している。

 中国はFTA戦略を、1)自国の経済的利益の追求する、2)メンバー国に対して利益を供与、もしくは利益を創出することで、自国の政治の安定や安全保障を実現する、ために展開している。FTA締結を通じて経済的利益を分かち合うことで、メンバー間の政治・外交がより密接なものになり、利益共同体を形成することになるからだ。中国の考え方は、米国のFTA戦略思考に近い。

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「中国は「遅すぎた合意」と思っているかもしれない~日中韓FTA交渉開始合意」の著者

金 堅敏

金 堅敏(じん・じゃんみん)

富士通総研主席研究員

1985年7月、中国浙江大学大学院修了。同年9月~91年12月まで、中国国家科学技術委員会勤務。97年3月、横浜国立大学国際開発研究科修了。98年1月から富士通総研勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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