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SYRIZAと「黄金の夜明け」は具体的な経済政策を示していない

ユーロ離脱を恐れ、NDへの揺り戻しも

  • 村田 奈々子

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2012年5月22日(火)

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 5月6日、ギリシャで総選挙が実施された。選挙の結果、EU(ヨーロッパ連合)とIMF(国際通貨基金)に対し緊縮策の実行を約束していた2大政党、ND(新民主主義党)とPASOK(全ギリシャ社会主義運動)が大敗を喫した。前回2009年の選挙では、2大政党をあわせて約80%の票を獲得したが、今回は32%にまで落ち込んだ。

 一方で、緊縮策に反対する政党は大きく票を伸ばした。なかでも、SYRIZA(急進左派連合)は目覚ましい躍進を見せ、第2党の座を占めた。SYRIZAの得票率16.78%という数字は、前回2009年の総選挙のそれを12.2ポイントも上回っている。

 NDとPASOK両党を合わせても、総議席数300の過半数には届かなかったことを受け、連立工作が始まった。しかし、実務家による「救国」政府樹立の話し合いは不調に終わり、6月半ばに再選挙が実施されることとなった。ギリシャ政治の混乱は、ギリシャだけでなく、ヨーロッパと世界の経済の不安要素となっている。

2大政党への不満票が他の政党に流れた

 今回の総選挙の結果は、2大政党に対する国民の不信の表れと解釈できる。1974年の軍事政権崩壊以後、ギリシャ政治を担ってきた2大政党の政治手法が、今日のギリシャの経済的苦境を招いたことは明らかである。EC/EUから流入した潤沢な資金と低金利の借款を、PASOKあるいはNDの歴代政府は、政治・経済・社会を近代化するための構造改革に生かすことを怠った。目先の選挙で勝利するために、国民に迎合する社会保障政策や労働者優遇政策をとってきたのである。加えて、2009年秋にギリシャの国家財政の悲惨な実態が明らかになったあと、これら2大政党が、ギリシャ国民に対し再生への具体的なビジョンを提示することができなかった点も大きい。

 今回の選挙では、7党――得票数の多い順からND、SYRIZA、PASOK、「独立ギリシャ人」、「ギリシャ共産党」、「黄金の夜明け」、「民主左派」――が議会に議席を得る結果となった。選挙前から、2大政党が大幅に議席を減らすことが予想された。それでも、NDとPASOKが第1党と第2党を占めるというのが大方の予想だった。SYRIZAは健闘が見込まれたが、これほど票を伸ばすとは予想されなかった。

 さらに、ネオ・ナチ党「黄金の夜明け」が、今回6.9%の票を獲得し、議員を送り込んだことも見逃せない。反緊縮という立場ではSYRIZAと歩調を同じくするものの、政治信条では極右に位置する。ギリシャでは、総得票数の3%以上を獲得した政党に議席が与えられる。前回の選挙での「黄金の夜明け」の得票数はわずか0.29%にすぎなかった。

 NDとPASOKに対するギリシャ国民の不満が沸騰し、ほかの政党に票が流れたかたちである。この数年で、ギリシャのGDPは20%減少した。所得は25%減り、税金は25%増加した。失業率は20%を上回る。25歳未満の若者に限って言えば、半数以上が失業状態にある。既存の政治勢力に、国民が愛想を尽かすのも無理はない。経済危機は、ギリシャ国民の投票行動に大きな変化をもたらすことになった。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長