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新パレスホテル、秘密の眺望

2012年5月29日(火)

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東京・丸の内の「パレスホテル」が高層ホテルとして蘇った。皇居の眺望を巡って宮内庁と調整し、「見えるようで見えない」。その微妙な客室設計で、激化する東京ホテル戦争を熱くする。

皇居の横にそびえ立つパレスホテル東京と自慢の広い客室(下)

 東京駅周辺のホテル戦争が苛烈になってきた。3年超の建て替え期間を経て5月17日、グランドオープンしたパレスホテル東京は、かつての低層で落ち着いた佇まいから一変した。23階建ての高層ビルで、外観に曲線を取り入れたモダンなデザイン。部屋数は290室。旧ホテルより100室ほど減らしたが、部屋を広くして、最も安い客室でも1泊5万2500円、210平方メートルを誇るスイートルームは73万5000円に上る。

 旧ホテルは国内の財界人や文化人に愛用されたが、今回は海外の裕福層や女性といったターゲットを意識している。ホテル側は宿泊者のうち約6割を外国人で埋める狙い。「海外では日本資本のホテルは、スタッフの英語力が低いという印象を持たれている。少なくとも日本一、英語が通じるホテルにしたい」と、パレスホテルの小林節社長は語る。

 パレスホテルが大転換した最大の理由は、東京駅周辺のホテル競争が激化していることにある。今年秋には、東京駅のリニューアルに伴い、東京ステーションホテルが誕生する。こちらは重要文化財である駅舎の空間を利用したクラシックな建物と交通アクセスが売りだ。

 外資系では、東京駅周辺にシャングリ・ラ ホテル東京と、マンダリンオリエンタル東京が既に営業している。2年後には、大手町にリゾートホテルの世界最高峰とも評されるアマンリゾーツが参入する計画。パレスホテルは、このタイミングで一新しなければ、競争から離脱しかねなかった。

「景観」で宮内庁とギリギリの調整

 しかし新規オープンしても、世界における知名度やブランド力は外資チェーンに及ばない。そこで、独自性を生かすため、ロケーションに目を向けた。パレスホテルの住所は「千代田区丸の内1-1-1」。東京のど真ん中に位置し、西側には堀があり、その向こうには皇居が広がる。都心だが日本の風情を感じる。ところが、皇居周辺のビルは「眺望制限」という不文律がある。それだけに、高層ビルとなった新パレスホテルは、ギリギリの設計を試みた。

 皇居内が見えないようにしてほしい――。関係者によると、改築計画の当初から、宮内庁の要請が入っていた。

 ホテルから堀を挟み、宮内庁病院や皇宮警察本部といった施設が点在する。特に宮内庁病院は、皇族など限られた関係者だけが利用する。天皇陛下の前立腺検査や雅子妃殿下のご出産にも対応した。それだけに、設計段階から宮内庁と調整し、客室の多くは皇居方面が見えないように配置されている。宮内庁は、「結果的に配慮がなされた建築になったと認識している」という。

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「新パレスホテル、秘密の眺望」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官