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ネット通販で狙われる日本人

2012年6月5日(火)

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インターネットの普及とともに増加する越境取引。その取引で商品未到着や模造品の被害が急増している。性善説の消費行動を取る日本人が狙い撃ちされている。

 「これは明らかに偽物じゃないか」。東京都港区に住む会社員の男性(40歳)は2011年12月、米国のEC(電子商取引)サイトからジーンズ3着を購入した。定価であれば1着4万円近くするジーンズが3着で2万円。インターネットで検索して見つけたサイトで、これは安いと飛びついた。だが、届いた商品は一目で分かる模造品だった。

 憤慨して男性は日本の直営店に持ち込んだが、「これは偽物ですね」とにべもない対応。販売元と交渉したが、返品時の配送料どころか、購入時の商品配送料も負担しなければ返品には応じないと言われ、泣き寝入りした。

 「模造品を販売するような怪しいサイトではないと思ったのに」。男性は安易な判断を悔やむが、既にこのサイトは閉鎖。どうすることもできない。

 今、日本人の消費者が海外のECサイトから商品を購入して被害に遭うケースが多発している。消費者庁越境消費者センター(CCJ)は2011年11月から、越境取引に関する消費者の相談窓口を開設。今年5月中旬までに集まった相談は1000件を突破した。

 トラブルで最も多いのが、「商品未到着」と「模造品」だ。この2つでトラブル全体の6割を占める。長期的に見れば円高のトレンドの中で、海外から直接購入した方が安いと考える日本人の消費者は多い。しかし、これを手ぐすね引いて待ち受けているのが海外の詐欺サイトだ。

ニッポンの品質が裏目に

 「金額をお支払ってください」「ご指定な住所に届けます」「オンタイム的に連絡いたします」…。

 一見、日本語でブランド品を格安で販売しているECサイトだが、よくよく見るとおかしな日本語が散見される。これは模造品を送りつけてくるサイトに共通する特徴だ。

 「極端に安く販売しているサイトは疑ってかかるべき」とCCJの矢井知章氏は言う。サイトに「返品を受け付ける」と書いてあっても、実は模造品と分かった時点で事業者への返品はできない。禁制品の輸出行為に当たり、違法行為になるためだ。「日本の消費者はこうした知識を意外なほど知らない」(矢井氏)。だからこそ拙い日本語に翻訳してまで日本人を狙う。

 「越境取引のトラブルが起きる背景には、日本の高度なサービス品質がある」。こう語るのは消費者庁消費者政策課の水間玲・政策企画専門官だ。これまでCCJが間に入り解決したトラブルのうち約3割は、「自然解決」。つまり、商品が届かないと相談してきたにもかかわらず、待っていたら届いたというケースだ。

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「ネット通販で狙われる日本人」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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