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太平洋島嶼国における日本の存在感に、地盤沈下の懸念

太平洋・島サミットにおけるフィジーの欠席が示すもの

  • 黒崎 岳大

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2012年6月5日(火)

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 5月25~26日、沖縄県名護市で第6回太平洋・島サミット(PALM6)が開催された。太平洋・島サミットとは、南太平洋に広がる14の国と地域(クック諸島、ミクロネシア連邦、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ)の首脳が、3年に1度日本に集結して行う会議である。直面する様々な問題について率直に意見を交換し、日本と太平洋島嶼国の間に緊密な協力関係を構築することを目的にしている。

 今回の太平洋・島サミットでは、「We are Islanders:広げよう太平洋のキズナ」というキャッチフレーズの下、以下の5本の柱――自然災害への対応、環境・気候変動、持続可能な開発と人間の安全保障、人と人との交流、海洋問題――に関して、活発な議論を行った。最後に「沖縄キズナ宣言」を採択した。

 今回のサミットは、過去5回に比べて、日本国内で大いに注目された。新聞などのメディアがとても大きく取り上げた。その背景にあるのは、国際社会から太平洋島嶼地域に向けられた関心の高まりである。

 太平洋島嶼地域をめぐる近年の国際情勢を概観する時、特筆すべきは、欧米や中国などのドナー国の関与が活発化していることである。各ドナー国は、地政学上においても、資源管理の上でも、21世紀の国際社会において同地域が極めて重要なポジションにあることを再認識したのである。地政学的には、中国の海洋進出とそれをくい止める米国の防衛ラインという位置づけが高まった。資源管理においては、レアメタルなどの海底鉱物資源の埋蔵が確認され、注目を集めるようになった。

関与を強める豪州、中国、米国

 太平洋島嶼国の重要性にいち早く気づいたのは、上述の太平洋島嶼国と共に「太平洋諸島フォーラム(PIF)」と呼ばれる地域国際機関を結成している豪州とニュージーランドである。とりわけ2001年の同時多発テロと同時期に起きたバリ島での爆弾テロ事件以降、豪州はメラネシア地域に対して関心を高めている。インドネシアから陸続きである同地域が、イスラムテロ組織の温床となることを防ぐ意図がある。

 2003年にソロモン諸島のホニアラで起きた民族紛争に対しては、豪州とニュージーランドが中心となって地域内多国籍軍を組織し、ソロモン諸島地域支援ミッションを派遣した。また2005年にはPIF事務局長に豪州の外交官出身者が就任し、地域内における関税の撤廃や統一通貨を目指すなど経済分野を中心に域内の協力と統合を推し進めようとしている。こうした豪州とニュージーランドの動きを、島嶼国側は、太平洋島嶼国に対する両国の覇権的な行動と捉え、反発すら感じている。

 一方、最近、影響力を拡大させているのが中国である。中国は二国間経済援助を利用して各国の首脳に接近し、その経済的影響力を急速に強めている。中国本国から島嶼地域に進出する中国人の数が急増。不法滞在者が多いため正確な数字はつかめないものの、各島嶼国において過去10年間で2~10倍近くにまで増加しているとみられる。これに伴い、中国との貿易額も急激に拡大しており、太平洋島嶼国全体では過去10年間で8倍以上に拡大した。

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