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新旧の「東京ソング」を徹底分析する(後編)

イマジネーションと、憧れと、愛情と、生きづらさと

2012年6月12日(火)

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 今回の「社会を映し出すコトバたち」は、前編に引き続いて東京ソング(東京を曲名に持つ歌謡曲やJ-POPなど)を分析します。「イマジネーションの中で東京が登場した曲」「東京への憧れを表現した曲」「東京が恋愛や人生の舞台となった曲」「東京の下町を扱った曲」などを紹介します。

イマジネーションの中で東京が登場した曲

 1980年代は東京ソングにとって大きな意味を持った時代だったのではないか――筆者はそう考えています。この時代から「イマジネーションの中で東京が登場した曲」が増えたように思うからです。

 沢田研二が「TOKIO」をリリースしたのは1979年(昭和54年)11月25日のこと。最初は同名アルバムのタイトル曲として登場しました。この曲をシングルカットされたのは1980年(昭和55年)1月1日。「70年代と80年代の境目」にリリースされた楽曲でもありました。作詞はコピーライターなどとして知られる糸井重里です。

 TOKIOの歌詞が表現したのは「空中浮遊都市」に見立てた東京の姿でした。歌詞を一部引用しましょう。「空を飛ぶ 街が飛ぶ 雲を突き抜け星になる 火を吹いて 闇を裂き スーパー・シティーが舞い上がる TOKIO TOKIOがふたりを抱いたまま TOKIO TOKIOが空を飛ぶ」。つまりここで言うTOKIOとは、現実の東京ではなく想像の中の東京だったのです。

 曲名が「TOKYO」ではなく「TOKIO」であったことも、想像を掻き立てる演出だったのでしょう。ちなみにTokioはドイツ語やスペイン語などで東京を意味します。古くは英語でも、東京のことをTokioと表現した時代がありました。しかしながら1980年代、Tokioは多くの日本人にとって見慣れない表現でした。「従来のイメージとは違う東京」を表現するために、TOKIOは絶好の表現方法だったわけです。

 実は歌詞に「TOKIO」をいうフレーズを使った楽曲は、沢田研二の「TOKIO」が初めてではありません。Yellow Magic Orchestra(YMO)が1979年(昭和54年)9月25日にリリースしたアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」が「Technopolis(テクノポリス)」という曲を収録しています。この曲のイントロで「TOKIO」というロボットボイス(ヴォコーダーと呼ばれる音声処理装置で加工した声)が流れるのです。

 「テクノポリス」に登場する歌詞は「TOKIO」と「T・E・C・H・N・O・P・O・L・I・S(テクノポリスをアルファベットに分解したフレーズ)」の二つだけなので、この曲が具体的に何をイメージしているのかは分かりません。ただ当時はまだ珍しかったテクノポップのアレンジが「未来都市」のような東京を想起させました。

 さて東京ソングはやがて「破滅した東京」まで表現するようになります。日本語ラップの初期の名作の一つ「東京ブロンクス」(いとうせいこう&TINNIE PUNKS)が「核戦争後の東京に一人生き残った男の姿」を表現しているのです。ちなみに同曲のリリースは1986年(昭和61年)のことでした。

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「新旧の「東京ソング」を徹底分析する(後編)」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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