• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

尖閣死守へ、モグラも動員

2012年6月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

都知事が提唱する尖閣諸島購入の寄付金が10億円を突破。絶海の孤島を堅守する背景には、近海に眠る海洋資源がある。「国益順守」へ、資金だけでなく、小動物まで持ち出した。

 石原慎太郎・東京都知事が呼びかけた尖閣諸島購入のための寄付金が10億円を突破した。都が4月27日に募集を開始したところ、約1カ月後の6月1日現在で10億1048万円に上った。寄付者数は延べ7万人以上にも達している。

 地権者からの購入額は15億円程度と見られるが、「このペースなら軽く超えそうだ」と都の関係者は読む。1日1000万~2000万円が集まっており、7月に達成する可能性もある。超過額は返却せず、有効活用するという。

 不動産売買で島の防御力を強化する。さらに、島に生息するある小動物まで「大義」として持ち出してきた。

カネと大義で実効支配へ

1979年に捕獲されたセンカクモグラ(写真:横畑 泰志)

 尖閣諸島だけに生息すると見られる「センカクモグラ」の調査と保護――。外見は、一般的なアズマモグラに似ているが、通常は42本ある歯が4本少ない。尖閣諸島は、沖縄県八重山諸島から150kmも離れた「絶海の孤島」で、氷河期以降に大陸から離れていった。そこで、ほかの地では見られない進化を遂げたと推測される。

 だが実際には、その生態がほとんど調査されていない。1979年、富山大学大学院の横畑泰志准教授が島を探索した際に、1匹だけ捕獲された。しかし、同時期に島にヤギが放たれたことから、生態系のバランスが崩れた。「現在、センカクモグラは絶滅の危機にある」と希少動物の専門家は指摘する。

 この事態に反応したのが永田町だった。折しも尖閣諸島問題が持ち出され、一部の議員が、「センカクモグラの調査・保護」を名目として上陸をうかがっている。島での活動という既成事実を重ね、実効支配を進めたいわけだ。

 尖閣諸島を堅守する大きな目的の1つに、近海にある豊富な海底資源と水産資源がある。そのため、200カイリの排他的経済水域の基点となる尖閣諸島は、失ってはならない重要拠点だ。

 2010年10月の衆院予算委員会で、自民党の石原伸晃幹事長は、当時の菅直人首相に対して、「このままだと絶滅します。上陸許可を出してほしい」と詰め寄った。政府側は上陸を許可しなかったものの、本音では実効支配を進めたい。だが、中国との関係を深慮して、二の足を踏んでいる状態だ。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

「尖閣死守へ、モグラも動員」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官