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NDとPASOKは再びいばらの道へ

ギリシャの経済再建はこれからが本番

  • 村田 奈々子

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2012年6月20日(水)

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 6月17日、ギリシャ議会の再選挙に世界が注目した。世界は今回の選挙を、ギリシャがユーロ圏にとどまるか、離脱することになるかを決める、実質的な国民投票と見なした。緊縮策推進を掲げる新民主主義党(ND)と、緊縮策の原則破棄を唱える急進左派連合(SYRIZA)のどちらが勝利するのか。人々は開票の結果を、固唾を飲んで見守った。

 SYRIZAが勝利すれば、ギリシャはユーロ圏を離脱することになるのではないか。その場合、通貨ユーロの信頼は大きく損なわれることになる。その影響は、他のユーロ加盟国に波及するだけでなく、世界の金融市場に大きな混乱を招くであろう。そう懸念された。

 ギリシャ人の投票行動が、ギリシャ一国のみならず、ヨーロッパ、ひいては世界の動向を左右することになったのである。小国ギリシャにとっては、重すぎる選択だった。再選挙前の最後の世論調査で、NDとSYRIZAの支持率は拮抗していた。どちらが第1党となるか、予断を許さない状況だった。

ユーロ離脱への恐れが2大政党への不信を上回った

 選挙の結果、約3ポイントの僅差で、NDが勝利を収めた――NDとSYRIZAの得票率はそれぞれ29.65%と26.88%。ギリシャがユーロ圏から離脱する懸念は、とりあえず消えた。NDは、緊縮策に賛成するPASOKと連立し、今後の政権を担うことになるだろう。緊縮策に部分的に反対しているものの、親EUの立場を明確にしている民主左派が、連立に加わる可能性もある。

 NDの勝利から、ユーロ離脱後のさらなる経済の悪化を恐れるギリシャ人の心情を読み取ることができる。ギリシャ人の多くは、これまで政権を担ってきたNDとPASOKこそが、今日のギリシャの財政危機を招いた元凶であると考えている。その意味では、これら2大政党に全幅の信頼を寄せることは到底できない。だが最終的に、この2大政党への不信よりも、通貨ユーロを手放し、かつてのギリシャ通貨ドラクマに回帰することへの不安が、現在のギリシャ人にとっては大きかったと言えるだろう。

 政権を担うことになるNDとPASOKは、国民が自分たちを積極的に支持したのではないことを、心に留めなくてはならないだろう。過去の放漫財政や、これまで政党と有権者を縛ってきたパトロン・クライアント(政権がパトロン、有権者がクライアント)関係を完全に精算し、政治、社会、経済すべての領域で、抜本的な構造改革に取り組む姿勢を示さなくてはならない。今回が、この2大政党に与えられたおそらく最後のチャンスである。

SYRIZAが健闘、しかし…

 敗れたとはいえ、SYRIZAは健闘した。SYRIZAは、緊縮策破棄こそが、ギリシャを破滅から救い、希望へとつなぐ道であると説いた。金がないために国家主権まで脅かされるような状況に、異議を唱えた。党首ツィプラスは、ドイツのメルケル首相を名指しで非難し、ギリシャのことはギリシャが決めるという、強い姿勢をみせた。ユーロ圏離脱の可能性に不安を抱く有権者に対しては、EUはギリシャをユーロから離脱させることはできないと、繰り返し説いた。SYRIZAの主張は「失うものは何もない」「とにかく今の苦境から脱したい」と考える有権者から熱狂的な支持を集めた。

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