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消費税動かした「財・労・官」

  • 編集委員 田村 賢司

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2012年6月26日(火)

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最終局面に来た社会保障と税の一体改革関連法案の成立。裏にいたのは日本経済団体連合会と日本労働組合総連合会、そして財務省だった。「財・労・官」の新・鉄のトライアングルが決められない政治を“強引”に動かした。

 社会保障と税の一体改革関連法案が、衆院採決から会期延長、そして参院採決へと向かう最終局面を迎えた。中でも野田佳彦首相が昨年9月の就任以来、執念を燃やしてきた消費税率引き上げは、民主党内、そして与野党の激しい対立で実現が危ぶまれてきたが、ここにきて急転。実施に大きく動き出した。

「懸案棚上げ、消費税案進行」図る

 その裏にあったのは何だったのか――。浮かび上がるのは、日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会、財務省が密かに結びついて舞台回しを演じた、「財・労・官」の新・鉄のトライアングルの姿だ。中でも積極的に動いたのが経団連だった。

 「政治に手を突っ込め」

 ゴールデンウイーク明けの5月8日、経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)が幹部らへ密かに命じた。

 消費税率引き上げをはじめとした一体改革関連法案は同月半ばから、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で審議が始まることとなっていたが、「与野党間」、そして「民主党の党内」それぞれに、本当に議論が進められるかどうかで、危機に陥っていた。

 与野党間では、野田首相と自民党の谷垣禎一総裁が2月末、東京都内で極秘会談を行ったとされ、いったんは法案審議の展望が開ける雰囲気も醸し出されていた。しかし、4月20日に参院で当時の前田武志・国土交通相と田中直紀防衛相の問責決議が可決されると、それも急速にしぼんでいった。

 民主党内も、最大のグループを擁する小沢一郎元代表らが再三、消費税率引き上げに反対を表明し、一体改革関連法案は内でも外でも暗礁に乗り上げようとしていた。

 財界関係者らによれば、米倉会長が危機感を募らせたのは、指示の直前に財務省最高幹部に、消費税率引き上げをはじめとした一体改革が極めて厳しい局面に立ち至っていると告げられてから。官と財の長年のパイプがこの時から再び機能し始めたという。

 一方で、経団連は民主党、自民党への働きかけを始める。カギになったのは、民主党がマニフェスト(政権公約)の柱に掲げてきた最低保障年金創設や後期高齢者医療制度の廃止など。撤回を求める自民党と、堅持を主張する党内の声に配慮したい民主党の間に深い溝のある部分だ。

 ここで経団連幹部らは、自民党側で谷垣総裁、野田毅・党税制調査会長、伊吹文明・社会保障と税の一体改革特別委員会党筆頭理事を、民主党側では仙谷由人・政調会長代行や党税調幹部らを訪れ、「最低保障年金創設と後期高齢者医療制度廃止などを棚上げにし、(消費税などの)議論を進める」よう両者を説得したという。

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