• BPnet
  • ビジネス
  • PC
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • NATIONAL GEOGRAPHIC
  • 日経電子版

印刷ページ

東京電力と関西電力が27日に開いた定時株主総会に、それぞれの筆頭株主である東京都の猪瀬直樹副知事と大阪市の橋下徹市長が初めて参加した。しかし、両自治体が提出した株主提案は否決された。「猪瀬・橋下」連合は東電と関電の経営を変えられるのだろうか。

 「3分の2以上の株主の賛同で可決できるかどうかは大して問題ではない。今、何が問題なのかを明らかにして、経営陣が受け入れざるを得ない状況を作るのが株主総会の意味だ」――。

東電の株主総会について記者会見する猪瀬直樹・東京都副知事

 東京都渋谷区の国立代々木競技場第1体育館で開かれた、東京電力の第88回定時株主総会。東電の筆頭株主となった東京都の代表として総会に初めて参加した猪瀬直樹副知事は、途中退出して臨んだ記者会見で、今後も経営改革を強く求める姿勢を示した。

 昨年3月の東日本大震災をきっかけに起きた福島第1原子力発電所での事故後、東電は賠償金の支払いや発電コストの膨張などで財務状況が急速に悪化。今回の総会では、会社側が提案した1兆円の公的資金の注入が可決され、実質国有化が決まった。

 一方、東京都が提案していた4つの議案はことごとく否決された。東京都の提案は、コスト削減に向けた経営の透明性確保や再建の決意といった企業理念に加え、競争原理の導入によって顧客サービスを第一の使命とするよう、会社の定款に明記することを要求していた。

 また、株主による一般質疑応答の場でも発言した猪瀬氏は、東電の関係者しか利用できない、東京の信濃町にある東電病院をいつまでも維持し、売却対象に挙げていない点を追求。勝俣恒久会長が、東電が出資する日本原子力発電の取締役に再任されるなど、今後も影響力を持ち続けることにも警戒を示した。

自治体株主と一般株主の利益が相反

 株主総会での定款変更には、出席株主(委任状を含む)の3分の2以上の賛同が必要だ。この高いハードルを越えて、東京都が東電の経営姿勢を変えていくことは並大抵のことではない。冒頭の猪瀬氏の発言はその点を踏まえた上での決意とも読める。

 そもそも、株主総会は、投資家である株主がその会社の株価が上がるような経営のあり方を追求し、経営陣に確約させるのが本来の役割だ。東京都が求めるコスト削減や経営の透明性向上は、今の東電の株価にとってはプラスに作用するプレッシャーになることは確かだ。

 しかし、電力の安定供給といった社会的な責任が大きい公益企業である電力会社は、利益追求型の一般的な民間企業とは一線を画す。特に、東電は被災者に対する巨額の損害賠償問題、福島原発の処理問題など大きな課題が山積している。今後は東京都に加え、公的資金の注入で議決権の過半数を占める国が筆頭株主として圧倒的な影響力を持つことになる。株式価値の向上を強く求める一般の株主や自治体株主との間で利益相反が高まる可能性があるわけだ。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

コメント

※記事への投票、並びにコメントの書き込みは、「ログイン」後にお願いいたします。

参考度
お薦め度
投票結果

記事を探す

読みましたか~読者注目の記事