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政争の果ての“置き去りニッポン”

2012年7月2日(月)

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社会保障と税の一体改革関連法案の衆院採決を巡り分裂状態に陥った民主党。消費増税の道筋はついてもTPPなど、ほかの重要課題の先行きは不透明だ。“敵対の政治”が続く間に、日本の競争力が一段と損なわれようとしている。

 消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の衆院採決を巡り、分裂の危機に直面した民主党。関連法案は6月26日、賛成多数で衆院を通過したものの、焦点の消費増税法案では同党から50人台後半の議員が反対に回るなど大量の造反が出た。党分裂の危機をちらつかせ野田佳彦首相に採決断念を迫った小沢一郎・元代表と、野田首相側との関係は修復不能なレベルに達した。

 民自公の3党協議をひっくり返そうと牙をむいた小沢氏。理由として「マニフェスト(政権公約)に消費増税を掲げていなかった」ことなどを挙げる。

 「民主党に残って再生に力を尽くそう」。関連法案採決後の支持グループ会合で、小沢氏はこう強調してみせた。その後の会見では「最後の努力をし、近いうちにどうするかを決断する」と語り、新党結成にも含みを残した。

 もっとも、6月22~24日に実施した日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査で、小沢グループなどの行動を「理解できない」とした回答が53%に上った。さらに、小沢氏に政治の場で「影響力を発揮してほしい」は26%で、「影響力を発揮してほしくない」(65%)の半分に満たない結果となったことは、示唆に富む。世論の多くは「反消費増税」を大義に拳を振り上げる小沢氏の真意は、自らの政治生命の維持にこそあると見透かしているのだろう。

“スローガン政治”の限界

 自民党のあるベテラン議員は、小沢氏の政治手法について2つの特徴を挙げる。1つは、言わずと知れた「数は力」。2大政党化の流れが明確になって以降も“党内野党”の維持・拡大に注力してきた小沢氏の基本姿勢は、自民党時代から何ら変わっていない。

 もう1つの特徴、それは論理のすり替えのうまさと巧みなスローガン作りだという。

 時計の針を20年前に戻してみる。当時、自民党の最大派閥の竹下派は激しい権力闘争の末、1992年末に分裂。翌93年6月の自民党分裂の大きな要因となった。

 竹下派の分裂は自民党最大派閥の会長ポスト獲得を巡る争いが主因であることは周知の事実。だが、当時、この騒動の主役だった小沢氏は自らを「改革派」とし、それに同調しない議員を「守旧派」と位置づけ、派閥離脱、その後の新党結成の意義づけに使った。権力闘争から国民の目をそらす道具として活用したのが「政治改革」だった。

 政治改革、改革派、守旧派――。これらは世論やマスコミの賛同を惹起させるのに魅力的なフレーズだった。だが、当時の状況を知る自民党関係者は「政治改革の中身や実現の段取りなどが議論されていなければ色分けなどできるはずもないのに実際はほとんど竹下派で議論されていなかった」と明かす。政治改革は小沢氏の行動に大義名分を与える有効な手段だったわけだ。

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「政争の果ての“置き去りニッポン”」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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