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波乱含みでスタートしたエネルギーの「国民的議論」

新型世論調査の導入で、かみ合わない議論を補えるか

  • 中西清隆(日経エコロジー)

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2012年7月20日(金)

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 政府の国家戦略室が中長期のエネルギーと環境政策に関する「国民的議論」の一環と位置づける意見聴取会が始まった。7月14日のさいたま市を皮切りに、15日には仙台市、16日には名古屋市で開かれた。

批判受け電力会社の社員には発言させないことに

 政府は、電源に占める原発比率を2010年の26%から2030年には45%に高めるとした現行のエネルギー基本計画(2010年6月策定)をはじめ、原発の扱いが密接に絡む核燃料サイクルや温暖化防止政策の見直し作業を続けてきた。これらを踏まえて8月中にも震災後のエネルギー・環境戦略をとりまとめるとしている。国民的議論は、政府内の議論だけでなく、国民の意見を反映させる機会として今回の政策決定プロセスに盛り込まれたものだ。

14日にさいたま市で開かれた意見聴取会。あいさつに立つ枝野幸男経産相の両側に発言予定者9人が並ぶ

 「すいません! 今回の進め方について...」。さいたま市で開かれた意見聴取会の終了間際、傍聴席から埼玉県川口市のNPO代表の女性が立ち上がって発言を求めた。「発言はご遠慮願います」と遮った司会者に対して、会場からは「聞いてやれ!」の怒号も響いたが、閉会のあいさつに立った枝野幸男経済産業相が「今回は決めさせていただいた運営方法でやらせていただきたい」とそのまま閉幕に持ち込む“混乱”の場面があった。

 15日の仙台、16日の名古屋では発言者に電力会社社員が含まれていたことに批判が集中したのを受け、電力会社や関連会社の社員を発言者に選ばないように選考方法を変更するなど、国民的議論は波乱含みでスタートした。

 政府はエネルギー政策の方向性として、2030年の原発比率が「ゼロ」「15%」「20~25%」の3つの選択肢を提示している。意見聴取会は、3つの選択肢に対してそれぞれの支持者3人ずつからなる9人が意見を表明する形で進められた。9人は意見概要を添えて申し込んだ発言希望者から抽選で選ばれ、意見聴取会の前日か前々日に依頼のメールを受け取ったという。

 「安全が第一。被害の実態が掴めていない段階で事故を起こした政府がシナリオを提示するのはおかしい」(千葉県の男性)。「再エネ開発は進めるべきだが、将来の不確実性が残る中で原発は残すべき」(茨城県の男性)。「家計と雇用を守るために電気料金の抑制と産業の空洞化防止が一番重要」(東京都の男性)。

 さいたま市の会場では、壇上に上がった9人の発言者から様々な意見が出た。しかし、それらは電源構成の在り方について議論を続けてきた経済産業省基本問題委員会24人のメンバーが委員会の中で開陳した意見のダイジェスト版と言えるものだった。1つ1つに“理”はあるものの、それぞれの距離を縮めて収束点を見いだすにはほど遠い印象だ。

 政府は国民的議論の成果や結果をエネルギー・環境戦略に具体的にどう反映させるのかを明らかにしていない。

コメント3件コメント/レビュー

国家戦略室の提示した原子力発電ゼロ%シナリオの総電力量1兆キロワットは、実現困難な机上の空論の様に思えてなりません。NHKの先日の討論番組みてもこのゼロシナリオの説明者である富士通総研の人も今後15年間での現在全く想定されていない技術革新に期待する旨を述べていました。2030年の総電力量を0.8兆キロワットとするような現実的なシナリオがなぜ提示されないか疑問に思います。(2012/07/20)

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国家戦略室の提示した原子力発電ゼロ%シナリオの総電力量1兆キロワットは、実現困難な机上の空論の様に思えてなりません。NHKの先日の討論番組みてもこのゼロシナリオの説明者である富士通総研の人も今後15年間での現在全く想定されていない技術革新に期待する旨を述べていました。2030年の総電力量を0.8兆キロワットとするような現実的なシナリオがなぜ提示されないか疑問に思います。(2012/07/20)

脱原子力発電に舵を切ったドイツとして、よく記事になるが、電力消費量を2050年までに2008年度換算で25%減らすにもかかわらず、電力輸入量は2050年まで変わらず30%を予定しているということは、いざという時の不足分は外国からの輸入頼りということで、果たしてこのドイツという国を脱原子力発電の指標にして良いのか疑問に思う。(2012/07/20)

かみ合わない国民議論と言えば、今回の3つのシナリオに直ちに原子力発電をゼロにするというシナリオが入っておらず、一部の国民の意見を反映する選択肢がないことが一番の問題であると思う。原子力発電ゼロという国家戦略室の設定したシナリオが2030年までのできる限り早い段階で、原子力発電をゼロにするということで、逆に言えば、2030年までは原子力発電を運転するというシナリオであることが、選択した人々を欺く行為でないかと思う。何れにしても、随分乱暴な公聴会だと思います。(2012/07/20)

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