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LIBOR不正操作、発覚は例外?

2012年7月23日(月)

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国際的な基準金利である「LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)」の不正操作が発覚した。同じ手法で決められる「TIBOR(東京銀行間取引金利)」も信頼性が揺らいでいる。自己申告に基づく算出方法を悪用した銀行の儲け主義に不信が募る。

 LIBOR(ライボー:ロンドン銀行間取引金利)の算出の基になる金利を申告する際に、実勢とは異なる水準を提示するという不正操作が発覚したのは英大手銀行のバークレイズだ。6月27日、金融監督機関の英金融サービス機構(FSA)などが約360億円もの課徴金を科したと発表。マーカス・エイジアス会長とボブ・ダイヤモンドCEO(最高経営責任者)が辞任表明に追い込まれた。

他行は結託していたのか

 LIBORは「取引金利」というが、実際に取引された金利ではない。日米欧などの大手銀行が取引可能と想定する金利水準をそれぞれ示し、上位・下位の4行分ずつを除いて平均した値だ。

 この基準金利に一定の金利幅を上乗せして、住宅ローン金利などの貸出金利は決まる。借り手となる個人や企業が銀行の悪質な行為の結果、不当に高い金利を支払わされるのだから、世界中に批判が広がったのは無理もない。

 LIBOR算出方法の問題は、各行の提示金利が「想定」であり、自己申告制という不透明なプロセスで決められる点にある。取引所という透明性が確保された場所で売買され、取引価格が開示される株式市場とは対照的だ。

 銀行間で資金を融通する相対取引の場合、取引金利は公にされない。短期金融市場の関係者からは「営業戦略も考慮して、各行で金利水準に差が出るのは当然」との声が上がる。平均値を算出する際に、特に懸け離れた提示金利を除外する手法を取ることで、信用は担保されるという理屈だ。

 LIBORは複数行の金利の平均なのだから、問題の焦点はバークレイズが例外なのか、ほかの銀行が結託して不正申告していたのかに移る。バークレイズの不正操作の取引相手となった銀行に疑いがかかるのは必至。それが何行にも及びかねないとの懸念が広がること自体が問題の根深さを物語る。

 左のグラフでバークレイズが不正を働いていたとされる2005~09年当時のドル3カ月物LIBORを見ると、2008年9月のリーマンショックを境に変化が見受けられる。

 バークレイズは2007年前半までは実勢よりも高い金利を申告することで、別に運用していた金利デリバティブ(金融派生商品)取引で利益を得ようとしていたという。

 この頃、バークレイズと同じ金利提示銀行の三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行、農林中央金庫の邦銀のみの平均値は、LIBORとほとんど重なり合っている。この点に着目する一部の市場関係者は「邦銀もほかの外国銀行に近い水準を申告していたことになり、バークレイズだけが特別な水準を提示していたとは言い切れない」との疑念を漏らす。

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「LIBOR不正操作、発覚は例外?」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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