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電力料金値上げは妥当か?

東電「国有化」後もチェックすべきこと

  • 関口 博正

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2012年7月26日(木)

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 政府は7月19日、東京電力の家庭向け料金の引き上げ率を8.47%程度とすることを決めた。東電は値上げ率を10.28%にするよう申請していたが、料金に転嫁する人件費を一層圧縮することなどによって、2ポイント弱引き下げることで決着した。東電による電力の安定供給確保を前提とするという厳しい制約条件下では、この引き下げ幅での決着は限界点に近かったといって良い。

 これまで私は消費者庁の検討チームに委員として参加して、東電の電力料金値上げに関する意見書作成の議論に加わってきた。その主題の1つに、国民から批判が上がっている人件費問題があった。

 東電は人件費の削減割合を2割削減に留めようとしたが、消費者庁検討チームは「正社員の年収の30%削減」を強く求め、最終的に近年の公的資金導入企業の実績を上回る23.68%まで削減率を高めることになった。

人件費3割削減を

 これまでも人件費削減に対する議論には、東電や原子力村を中心に「給与を削っても効果が薄い」という反論がなされてきた。確かに、東電の人件費3488億円は電力料金原価5兆7231億円の6%にすぎず、人件費削減による原価削減効果はさほど大きくない。だが、消費者庁検討チームの議論では、東電の人件費削減は必須事項と考えていた。

 今回の値上げ申請は「規制部門」に対するもので、その対象は家庭や個人商店・コンビニなどである。こうした人々は、いわゆる「庶民感覚」を持っており、「事故を起こしながら値上げする」という事態に納得してもらうためには、人件費の3割程度の削減は必要だと考えたのである。この他にも、法定福利厚生費のうち健康保険料の企業負担割合が60%だったものを、法定負担割合である50%にするという要望なども実現した。

 ここで参考になるのは、電力と同じように設備産業に分類される電気通信産業である。実は、この分野では人件費の大幅な削減を実現している。

 NTTは2002年3月期の大幅な最終赤字を受けて、50歳になった社員を給与水準の低い子会社に転籍させる制度を導入した。最大で7割程度の給与水準に下げるものだった。しかも、最近になって、さらに人件費を抑制する新たな給与制度に移行することを発表している。

 電気通信産業でこうした人件費削減策が実施されている点を考慮するならば、原発事故を起こし、公的資金の投入を受けている東電は、より厳しい制度を導入して頭を垂れる姿勢を示す必要があるだろう。

 当初7月25日に予定されていた東電の資本注入が月末に延期され、金融機関からの融資も8月に先送りされるなど、今後とも厳しい状況が続くことに変わりはない。従って今後も東電の給与水準については注視していく必要がある。

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