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「お誕生日だから寄付して」

オバマ、おねだりメール乱発の裏側

  • 津山 恵子

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2012年7月30日(月)

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 オバマ大統領の選挙陣営「オバマ・フォー・アメリカ」からこうしたメールが届いた。

 「警告、この写真はカワイイです」

 フェイスブックの友人がアップするペットの写真のような標題に思わずひっかかって、メールを開けると、こんな文字が目に飛び込んでくる。

 「5ドル寄付してください。オバマ氏の51歳の誕生日を、彼のシカゴの自宅で祝うくじにエントリーされます」

 そして、画面をスクロールすると、オバマ氏が43歳の誕生日に撮影した、ミシェル夫人と娘2人とともに、ケーキのロウソクを吹き消そうと息を吸い込んでいる瞬間の写真が出て来る。まだ幼い娘たちの顔があどけない。

 8月4日のオバマ氏の誕生日をきっかけに、寄付を求める同様のメールは数日前にも、ファースト・レディー、ミシェル夫人から届いていた。その時も、つい写真を開いて見てしまった。

オバマの集金力に陰り

 この手のメールは毎日のように来る。

 例えば5月、女優サラ・ジェシカ・パーカーからもメールが来た。大ヒットドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」の主役で、ニューヨーク在住のセレブ中のセレブ。メールの標題はこうなっていた。

 「オバマ大統領、ファースト・レディーと私」

 「いくらでも構いません、寄付してください。6月14日に私の自宅で、オバマ大統領夫妻をもてなすパーティに参加できるチケット2枚があたるクジに自動的にエントリーします」

 ハリウッド関係者は、リベラルで民主党支持者が多い。大統領選挙の際、大物俳優や監督が瀟洒なパーティを開いて、巨額の寄付を集めることが知られている。しかし、この招待はうまいところをついている。サラに会う(ついでに大統領夫妻にも会う)ために、5ドルといわず、それなりの額を寄付しようという「金持ちのミーハー」がニューヨークには実在するからだ。

 それではなぜ、オバマ陣営があの手この手で、寄付を集めようとしているのか。

 実は、「集金力に長けている」とされたオバマ陣営が、今年5月と6月、共和党の対立候補ミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事の寄付金額を下回ったのだ。背景には、寄付金集めの地殻変動がある。

 2010年、米連邦最高裁判所によって、企業や団体が政治活動委員会(PAC)と呼ばれる選挙資金団体を通して寄付する場合、献金額に上限を設けてはならないという判断が下された。候補者や政党を支持する「言論の自由」を認めるという観点から下されたものだ。こうした多額の資金を集める手段は「スーパーPAC」と呼ばれている。

 実は、ロムニー陣営では、この数カ月、スーパーPACからの寄付金の割合が急速に増えている。

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