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消費増税が生む「放漫財政」

  • 編集委員 田村 賢司

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2012年8月1日(水)

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社会保障と税の一体改革法案審議が終盤にきた。消費税収の一部を公共事業に“流用”する動きが広がる。消費増税が放漫財政につながっていく恐れが出てきた。

 17年ぶりの消費税率引き上げが実現に向けて動く中、増税後の税収の使い道を巡って早くも懸念が広がり始めている。消費税自体は、社会保障のための目的税とするが、税収増によって社会保障費でこれまで借金に頼っていた部分が減るのを当て込み、ほかの予算に使おうという動きに対してだ。

 社会保障目的税としての建前は保つものの、社会保障機能の維持のために国債発行を減らし、財政再建に充てるとしていた部分を“流用”することになるとも言えるもの。

 社会保障と税の一体改革を動かした民主、自民、公明の3党合意の底流に潜んでいた、3党それぞれの思惑が徐々に表に出てきた格好であり、今後、消費税引き上げなど一体改革関連法案の審議や議論に相当な影響を及ぼすと見られる。

 中でも最も大きいのは、防災や減災をテーマにした公共工事への支出の動きだ。自民党は既に「国土強靱化基本法」案を国会に提出し、公明党も同様の法案を準備。防災・減災目的を理由に両党とも歳出増が党内の大きな流れになっている。

 「(国土強靱化法を)次の総選挙で勝つための種にしようとしているかのようだ」。自民党のある若手議員はこう言って強く反発するが、それも「党内ではごく少数。異端扱いされている」と嘆く。

 しかも、その額は10年間で200兆円とさえ言われる。自民党自身は「党では決めていない」(林芳正・党政調会長代理)と否定するが、強靱化法案では「当初3年間で計15兆円を投じる」としており、1年当たりではこれだけでも消費税約2%に相当する巨費となる。

 公明党の案も同様に10年間で100兆円の防災・減災投資を検討しているとされるが、「放漫財政」の現実味が増している理由はそれだけではない。民主党幹部も自公両党と、意を同じくし始めてきたためだ。

「公共事業は減らしすぎた」と自民

 「消費税引き上げで(従来国債で賄っていた部分に)少し余裕ができる。それは成長に使ってもいいのでは」。参院で一体改革関連法案の審議が本格化した7月半ば、ある民主党税制調査会幹部はこう漏らした。この民主党幹部は一体改革関連法案策定まで長く、消費税上げによる財政再建を唱えてきたが、6月の3党合意を経て「余裕ができた」と考え始めたようだ。

 仮に200兆円としても年間で20兆円。これは総事業費だから、「(国費として支出する)真水は概算で10兆円程度」(ある財務官僚)になると見られるが、それがすべて新たな予算になるのか、従来の公共事業を含むものになるかによっても歳出額は全く変わる。

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