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「夢の泥」にはレアアースがいっぱい

太平洋・南鳥島の泥が日本を救う

2012年8月17日(金)

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 電気自動車やLED照明など日本のハイテク産業分野において欠かせない存在であるレアアース。しかし、その約9割を中国に依存していることから、脱中国依存が最重要課題の1つとなっている。そうした中、2012年6月28日に、東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授が日本の排他的経済水域内の南鳥島沖で大量のレアアース泥を発見したと発表した。

 「『南鳥島レアアース泥プロジェクト』を成功させて、子供たちに明るい未来があることを見せてあげたい」

 こう語るのは、東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授だ。

東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授

 加藤教授は、太平洋の海底にレアアースを含む泥が大量に堆積していることを世界で初めて発見した人物だ。その論文が2011年7月4日、英国の科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」電子版に掲載されたことで、日本はもとより世界中から大きな反響を呼んだ。

 さらに、2012年6月28日には、「日本の排他的経済水域内の南鳥島沖でも大量のレアアース泥を発見」と発表し、話題となっている。ちなみに、南鳥島は、本州から1800キロメートルも離れた日本の最東端の小さな島で、行政上は東京都小笠原村に属する。

経済産業省の反応が鈍い理由は理解できる

 電気自動車やLED照明、スマートフォンなど日本企業にとって、国際競争力の源泉となっているハイテク産業分野において欠かせない存在であるレアアース。しかし、その約9割を中国に依存していることから、脱中国依存が早急に解決すべき最重要課題の1つとなっていた。

 それは、欧米諸国も同じだ。2010年9月7日に起こった尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに、中国政府が日本、さらに欧米諸国へのレアアース輸出停止を打ち出したからだ。いわゆる「レアアースショック」である。そういった中での、加藤教授によるレアアース発見のニュースであった。

 「実は、1999年ごろから分かっていた。とはいえ、私は地質学者。夢は46億年に及ぶ地球の歴史の解明だ。その研究を通じて分かったことであり、一般に公表する予定はなかった。しかしながら、中国政府の目に余る傍若無人ぶりに居ても立ってもいられなくなり、伝家の宝刀を抜くことにした」。発表の経緯を加藤教授はこう説明する。

 本来であれば、あと2年間かけて、じっくりと書き上げようと考えていた論文だった。しかし、レアアースショックを機に、1日も早く公表すべく、発奮した。そして、太平洋の海底から収集した7000個にも及ぶ泥のサンプルの化学分析に死に物狂いで取り組み、約3カ月間で論文を書き上げ、見事、「ネイチャー・ジオサイエンス」への掲載を果たしたのだ。

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「「夢の泥」にはレアアースがいっぱい」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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