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原発問題は「10万年先の未来を考える」好機だ

石井裕・MITメディアラボ副所長・教授に聞く

  • 山岡 淳一郎

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2012年8月24日(金)

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 国は、福島県の除染で出る放射性廃棄物の「中間貯蔵候補地」をやっと提示した。候補地の双葉郡の自治体からは猛烈な反発が起きており、予断を許さないが、原発を稼動させる限り、「核のゴミ置き場」の難題は残る。福島は日本の将来を暗示しつづけている。

 この夏、2030年の原発依存度(0%、15%、20~25%)をめぐって「国民的議論」が行われた。人間と科学技術の関係を深く考察してきたボストン在住のMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ副所長・教授の石井裕氏は、その動きをどう眺めていたのか。石井氏に、政府が議論の素材として提示した「エネルギー・環境に関する選択肢」を読んでもらい、率直な感想を聞いたところ、「数字よりも価値基準の議論が必要」「ローマクラブが活用したシステムダイナミクスというシミュレーション技法を使ってはどうか」という反応が返ってきた。

 今夏の国民的議論は、エネルギー論議の「始まり」だ。これで終わらせてはなるまい。私たちは、何を、どう考えていけばいいのか。石井氏に語ってもらった。

国民に開かれた姿勢は評価、数値目標には疑問

山岡:ボストンから日本の国民的議論を、どうご覧になっていましたか。

(写真:大槻純一、以下同)

石井:政府、審議会に関わった方々が大変な努力をしてデータを集め、分析し、選択肢を提示して、国民に議論を呼びかけたことは、非常にポジティブにとらえました。オープンに国民の声を吸い上げようとする姿勢、そして選択肢の背景を解説する資料をネットから即ダウンロードできるよう公表している点は素晴しい。

山岡:これまでに外国で暮らす日本人が国家政策に関わる大事な情報にアクセスでき、意見を表明できる機会はあったでしょうか。

石井:ちょっと記憶にないですね。今回の試みは、インターネット時代のオープンガバメントの象徴的な出来事でしょう。ただ、一方で、複雑にいろいろな要因が絡み合っているエネルギー問題を、たった3つの数値化した選択肢に集約した点には疑問を抱きました。

 「エネルギー・環境に関する選択肢」を読んで、まず驚いたのは、2030年に焦点を絞っていることです。エネルギーを議論するタイムスパンとしては短すぎる。少なくとも100年、もし高レベル放射性廃棄物の処分を本気で議論するなら、生物にとって無害になる10万年というタイムスパンが必要。フィンランドはそういう時間的スケールで国民を巻き込んで議論し、「オンカロ」と呼ぶ高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場をつくっています。「将来世代に影響の及ぶ課題の選択」「将来世代の負担低減」と本気で言うのなら、 2030年ではあまりに近視眼的です。

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