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「消費増税が決まればそれで終わり」ではない

特例公債法案の成立期限は「10月末」

2012年8月23日(木)

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 2012年8月10日の参院本会議にて、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法が民主・自民・公明3党の賛成多数で成立した。消費税率は2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上がる可能性が高まってきた。

 このような状況の中、政治の次の攻防は「衆院解散・総選挙の時期」に移りつつある。実際、自民・公明の両党は、野田佳彦首相が約束した「近いうち」は「いまの国会会期末(9月8日)まで」と解釈して政権への攻勢を強める、との報道が多い。

 他方、民主党幹部は、赤字国債の発行に必要な「特例公債法案」など重要法案の処理が先決として、「いまの会期中の解散は困難」との立場をとっているようである。

 9月下旬には、民主党代表選・自民党総裁選もある。政治的駆け引きの結果、「衆院解散・総選挙の時期」がいつ頃になるかについて筆者に判断はつかない。けれども、「特例公債法案」の成立期限は「10月末」頃と予測できる。

赤字国債を特例公債法が成立しないと発行できない

 2012年度予算(一般会計)の規模は以下の図表1のとおり、90.3兆円である。この予算において、政府は「税収42.3兆円」「税外収入3.7兆円」「建設公債5.9兆円」「特例公債(赤字国債)38.3兆円」の合計90.3兆円の収入を見込んでいる。

図表1:平成24年度予算(一般会計)単位:兆円

歳入 歳出
税収 42.3 社会保障関係費 26.3
税外収入 3.7 地方交付税交付金等 16.6
    文教・科学振興 5.4
建設公債 5.9 防衛 4.7
特例公債 38.3 公共事業 4.6
    その他 10.7
    国債費 21.9
合計 90.3 合計 90.3

(出所)財務省ホームページ「日本の財政を考える」

 このうち、建設公債は特例公債法案が成立しなくても発行できる。しかし、特例公債(赤字国債)は発行できない。というのは、財政法が、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」(財政法4条)と定めているからだ。港湾や道路など後世に残る社会インフラへの支出(以下「建設公債対象経費」という)は、財政法に基づいて建設公債が発行できる

 一方、一時的な赤字を補填するための支出については、財政法上、公債を発行できない。このため、政府は毎年、赤字国債を発行するために1年限りの時限立法である特例公債法案を成立させている。

 2012年度予算では特例公債法を成立させ、歳入の約4割に相当する38.3兆円の財源調達を見込んでいる。もし特例公債法案が成立しない場合、建設公債対象経費以外の支出について、税収42.3兆円と税外収入3.7兆円の合計46兆円が支出限度額となる。

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「「消費増税が決まればそれで終わり」ではない」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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