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外資買収に見る、日本の甘過ぎる土地制度

「消えた土地所有者」の解明を急げ

  • 平野秀樹(東京財団上席研究員)

  • 吉原祥子(東京財団研究員)

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2012年9月5日(水)

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尖閣諸島や竹島など隣国との国境問題が噴出して、日本が国土や国境に対する意識が薄かった現実が露呈している。なぜ、日本は多くの「国土問題」を周辺諸国から起こされてしまうのか。「日本の国土」問題に詳しい研究者がリポートする。

 「外資が森林を買収すると、何が問題となるのか? 外資であることか、実態がわからないことか、それともルールがないことか?」

 先日、ある新聞社の論説委員から質問を受けた。

 外資の森林買収が社会的関心を集めるようになって約3年。ここに至る各界のリアクションを辿っていくと、問題の所在が透けて見えてくる。

 自治体からの国への意見書は全国から届き、これまでおよそ100件に上っている。「もっと規制強化を」という声だ。2011年、世論の高まりを受け、国はあらゆる森林売買の「事後報告」を義務づける改正森林法を制定した。だが、これで十分というわけではなかった。

 しびれを切らしたのか、2012年以降、北海道と埼玉県、群馬県が水源地域の土地売買の事前届出を義務づける条例を成立させた(注1)。あと10県以上はこれに続くと見られる。市町村でも地下水保全条例の制定が続いている。6月には長野県佐久市、小諸市、立科町などが地下水を「公水」と位置づける条例を相次いで成立させた。

 一方、土地売買に関連して、石原慎太郎・東京都知事の突然の買い上げ発言をきっかけに、尖閣諸島の所有権問題が注目を集めている。一連の報道で、「わが国では安全保障の要所である国境離島が実は個人の所有であること」や「たとえ相手が政府であろうと土地の売買が所有者個人の意向に大きく左右されること」が、多くの人々の知るところとなった。

 こうした森・水・土地をめぐる動きの根底にある問題は何なのか。「外資の森林買収」という事象を契機に我々が考えるべき根本課題は何なのか。改めて整理してみたい。

無人の奥山が国際商品に

 2011年11月の北海道北部。林道さえ入っていない奥地の天然林200ヘクタールを求め、不動産関係者が現地を訪れた。

「この辺鄙な地を選んだのは、水源地の売買規制が始まった道央・道南を避けるためだ。不在村地主の山を中心に購入したい」

 仲介したこの業者は、道央の山を中国資本に売却した実績を持つ。

 狙われた山はかつて70数戸の集落があったが、1962(昭和37)年の台風災害で全戸離村し、以来、無人になっている奥山だ。林業が成り立つ場所ではない。同行した関係者が、目的不明の買収話を不審に思って役場に連絡したことにより、その地は地元篤志家が私財を投じて購入することで決着した。

注1:2012年3月に北海道県と埼玉県で、5月に群馬県でそれぞれ成立した。同様の条例の検討や対策協議会設置が、山形県、福井県、茨城県、山梨県、長野県、静岡県、岐阜県、宮崎県、鹿児島県などでも進んでいる。

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