2期連続で巨額の最終赤字を見込むシャープに経営危機が迫る。頼みの綱である銀行融資の条件「ホンハイとの出資交渉の合意」も9月にずれ込んだ。奥田隆司社長は今年度下期黒字化の達成が経営破綻回避の条件と明言する。
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との出資交渉が8月末までにまとまらなかった。
8月30日午前中、ホンハイの戴正呉副会長と3時間ほど協議した。午後も引き続き議論する予定だったが、先方の都合が悪くなり、合意できなかった。私と郭台銘(テリー・ゴー)董事長とで話し合いを持つなどして、9月中の早い段階で決着をつける。
ホンハイとの出資交渉は難航しているように見える。
立場の違いで出資交渉が長引く

1953年生まれ。78年、シャープに入社。AVシステム事業本部長や海外事業本部長を歴任し、今年4月、社長に就任。(写真:菅野 勝男)
出資の件がなかなかまとまらないのは、両社の立場の違いがあるからだ。我々は出資案件を早く片づけたいが、ホンハイ側は違う。
先方にとって出資は、当社との戦略提携に関する1つの議題にすぎない。ホンハイ側の意向は、どうすれば当社の業績改善に貢献し株価を高められるかなどを含め、一番いい枠組みで提携を実現させることだ。出資以外の堺工場の共同運営や携帯事業の協業などは順調に進んでいる。
シャープ側でホンハイへの技術流出を懸念する声があり、交渉がまとまらないとの指摘もある。
いろんなことを言う人はいるが、聞いている余裕はない。一刻も早く出資案件をまとめなければならない。
ホンハイは契約上、出資案件を来年3月までに決着させればいいと考えているから、交渉が進まないのでは。
そういう面はあるかもしれない。だが、我々はこの件を早く解決したい。出資案件をどう着地させるかは大変重要だとの認識について、当社とホンハイとであまり差はないと思う。
出資案件がまとまらない理由には、当社の株価の下落がある。今のように1株約200円まで下がれば、ホンハイが当初の予定(編集部注:1株550円で約670億円をホンハイが出資するという契約)を実行できないと考えるのは当然のことだ。
具体的な金額については言えないが、当社は出資額について、現状の株価をにらみながら、修正することを検討し、ホンハイに提案している。
出資比率9.9%という条件を変更し、できるだけ多くの出資金額を受け入れるという考えはないのか。

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