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民主党が陥った原発ゼロの「死角」

  • 市村 孝二巳

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2012年9月19日(水)

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野田佳彦政権が目指す「原発ゼロ」政策が大きな壁に突き当たった。青森県六ケ所村が使用済み核燃料を元の原発に送り返すと言い出したのだ。核のゴミが送り返され、燃料プールが満杯になれば、全国の原発は再稼働不能に陥る。

 「万が一、再処理路線を撤退し、使用済み燃料を直接処分するという結論に達した場合は(中略)国策として進めてきた政府に大きな責任がある」

 9月7日、青森県六ケ所村議会は、政府が原子力発電の比率を将来ゼロにするなら、村内にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場に貯蔵してきた「核のゴミ」は直ちに元の原発に送り返すという意見書を全会一致で可決し、野田佳彦首相らに送付した。

 これは全国の原発で生じた使用済み核燃料を一手に引き受けてきた六ケ所村から国への「三行半」である。政府は使用済み核燃料をすべて再処理し、再利用する前提で核燃料サイクル事業を進めてきた。しかし野田政権はエネルギー政策を転換し、原発ゼロの方向へと舵を切ろうとしている。原発をゼロにするなら、使用済み核燃料を再処理する必要はなくなる。これまで2兆2000億円以上かけたと言われる六ケ所村の再処理工場が無用の長物と化すばかりか、日本原燃と青森県、六ケ所村が1998年7月29日に交わした「覚書」が日本の原発政策に破滅的な衝撃を与えることになりかねないのだ。

 「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、日本原燃は使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずる」

 この覚書は、これまで六ケ所村の再処理工場へと搬入されてきた使用済み核燃料がすべて各原発へと送り返されることを意味する。

 再処理工場のプールは3000tU(トンウラン)の使用済み核燃料を収容できるが、貯蔵量は既に2012年3月末で2919tUとほぼ限界に達している。

 再処理工場が本格稼働すればこの貯蔵量は減るが、日本原燃は10月に予定していた再処理工場の竣工時期をさらに1年延長する見通しだ。再利用できない高レベルの放射性廃棄物を溶かしたガラスと混ぜて固める「ガラス固化」の工程の事前確認試験はどうにか終わったが、その後の点検には数カ月を要するうえ、稼働できるかどうかは新たに原発の保安行政を担う原子力規制庁の判断を待つ必要があるからだ。

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