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尖閣に押し寄せる中国漁船への対応策は?

魚釣島がカギを握る米国の核戦略

2012年9月18日(火)

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 台風16号が尖閣諸島を過ぎ去った。1931年に満州事変が起きた今日、9月18日、大量の中国漁船が尖閣諸島に押し寄せる可能性がある。その一部が魚釣島に上陸する事態も起こりうる。川村純彦・元海将補に今後の見通しを聞いた。同氏は著書『尖閣を獲りに来る中国海軍の実力』の中で、中国の漁船や海軍がどのような行動を取るか、シミュレーションをしている。(聞き手は森 永輔=日経ビジネス副編集長)

9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日です。この日を期して、1000隻の中国漁船が尖閣諸島に向けて出港したとの情報があります。台風16号も同諸島を通り過ぎました。これから同諸島周辺の海でどんなことが起こりうるでしょうか? 

川村:まず、中国人民解放軍の海軍がすぐに乗り出してくる可能性は小さいと思います。上陸部隊が海から急襲する、特殊部隊が潜水艦から潜行上陸する、空挺団が空から侵入する、といった事態は考えづらいでしょう。中国は今、平和台頭国家のイメージを構築することに一生懸命です。これらの軍事行動を起こすと、日米安保条約の第5条を発動させる要因にもなります。

漁民の一部が魚釣島に上陸する事態も

 最も起こりうるのは、大量に押し寄せる中国漁船の一部が日本の領海に進入。そのまた一部が魚釣島に上陸するケースでしょう。

 1000隻の漁船が一気に魚釣島への上陸を目指すのは考えづらい。尖閣諸島周辺の海域は非常に波が荒いので、たくさんの船が一時に集まることは難しいのです。しかし、中国漁船の一部は領海への侵入を試みるでしょう。日本に対するデモンストレーションです。

海上保安庁は、中国漁船による領海侵犯を防ぐことはできないのでしょうか?

川村純彦氏。元海将補。著書に「尖閣を獲りに来る中国海軍の実力」がある。

川村:難しいでしょう。

 海上保安庁にできるのは次のことです。「ここは日本の領海である」と中国漁船に対して警告すること。警告を無視する場合には、出入国管理及び難民認定法違反の容疑で臨検すること。同容疑で逮捕すること。つまり警察権の行使だけです。

 日本は、領海内において無害通航以外の行為をした船に対して、どのような措置を取るか、法律を作っていません。なので、海上保安庁は、領海侵犯した船に対して威嚇するなど、強制力を伴う措置は取れないのです。

 さらに、領海への侵入を試みる漁船のすべてを入管法違反で逮捕し、証拠を集め、立件することも難しいでしょう。1隻、1隻について、これらの措置を取らなければなりません。そのためには、巡視船の数が全然、足りません。海保の第11管区(本部:沖縄)が配置している巡視艇は約20隻です。他の管区から応援を回しても足りない。

そうすると、かなり多くの中国漁民が魚釣島に上陸する可能性があるのでしょうか?

川村:そうとは限りません。魚釣島はその地形上、多くの人が一気に上陸するのは難しいのです。魚釣島の沿岸の多くは岩場です。ここから上陸するには、船を傷つける覚悟が必要です。200~300メートルほどある砂浜は、上陸することはできても、出港するのが難しい。小さな港が1つだけあります。ここは狭いので、1~2隻が停泊すればいっぱいになってしまいます。

先の国会で海上保安庁法の改正が成立しました。これにより、海上保安庁の担当者が離島の陸上で警察権を行使できるようになりました。これは役に立つでしょうか。

川村:将来は役に立つと思います。しかし、今回は石垣島などの警察官が対処することになるでしょう。海上保安庁の人は陸上での任務にまだ慣れていないですから。

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「尖閣に押し寄せる中国漁船への対応策は?」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士