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尖閣で世界の目、例によって冷淡

情報発信で中国を巻き返すことが急務に

  • 谷口 智彦

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2012年9月20日(木)

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 日系の店舗や自動車などを破壊し、略奪の限りを尽くす中国の反日デモの映像が世界中のメディアに流れている。巧妙に自分たちの主張を浸透させ、影響力を拡張させようとしていく中国。中国国民のあまりの激しい反応に、国際世論も、こうした事態をどう理解すればいいのか戸惑っている。国際社会に対して、日本はどう説明責任を果たしていくべきか――。尖閣問題で海外メディアからの取材対応に追われている元外務省外務副報道官、慶応義塾大学特別招聘教授の谷口智彦氏が、海外の反応や日本のあるべき対応を斬る。

 ここのところ、反日デモ関連で英BBC・TV、ラジオやカタールのアルジャジーラの英語放送から、取材を受けています。彼らはまず、日本政府が尖閣諸島を「買った」という行為の意味それ自体が良く理解できなかったようです。政府が個人所有者から島を買うというのは、国内的な所有権の移転に過ぎないわけで、国が買った後も現状に変化はないわけです。

なぜ、この時期にわざわざそんなことを…

 けれど、なぜこの時期にわざわざそんなことをやったのか、という疑問が海外の人にはある。それは中国に対する挑戦ではないかという見方になるわけです。要するに「事の発端をつくった、引き金を引いたのはどちらなのか」に関する理解の混乱がある。でも、こういう問題の立て方自体がヘンでしょう。事の本質というかリアリティというか、なんかはき違えているからこういう問いになる。

 事の本質というのは、たとえになりますけどこんな感じかなと思うんです。英仏海峡に、ガーンジー島、ジャージー島という島があります。英国領、というか、正確には英王室領です。適用される法体系が別立てで、実態としては準タックス・ヘイブン扱い。ともかく、地理的にはフランスに近いのに、「イギリスのもの」ということで今日に至っています。だって、もしも攻撃されたら、英軍が出動するでしょうしね。

 でそのジャージー島なんかを、尖閣だったとしてみますか。それで、大陸欧州の、ウラル山脈以西が、フランスもドイツもない、まるごと巨大な1つの国で(中国というのは実際それくらいでかい)、しかも長い歴史を通じていっぺんも民主主義をやったことがない国で、ろくすっぽ基本的人権も保障していない国だったとします。

 そしてあるとき、その国が英国に向かって「ジャージー、ガーンジーは古来オレたちのものだったのだ。返せ」と怒り出して、バーバリー・コートの店かなんか叩き潰したうえ、しかも増強おさおさ怠りない海軍のダンビラまでちらつかしてやってきたとしたら…。

 英国人はさぞかし憤り、かつ、威圧されたと感じるのではないですか。日本がいま尖閣について感じている中国の脅威とは、ちょうどそんな感じだと思うのです。東シナ海と南シナ海は石油が通る大事な通路だから、戦略上、英仏海峡なんかと比べ物にならないくらい重要でもあるというのに、まずこの、極東のわれわれ、島国が感じている中国の脅威そのものが、欧州などには絶対に伝わらないと思っていて間違いありません。

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牛島 信 弁護士