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中国と「新しい大人の関係」作りを

新しいルール作りと抑止がカギ

2012年9月21日(金)

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 「峠」と言われる9月18日が過ぎた。北京公安当局がデモの抑制に動き、事態は沈静化しつつある。しかし、尖閣諸島周辺の海は依然として“霧が晴れない”。同諸島周辺では、中国の公船が依然として接続水域への侵入を繰り返している。外務省で日米安全保障課長を務めた経験を持つ宮家邦彦氏に、今回の事態の分析と見通しを聞いた(聞き手は森 永輔=日経ビジネス副編集長)。

今回の反日デモや、中国公船による尖閣諸島周辺領海への侵入は、日本政府が魚釣島、北小島、南小島を購入したことから始まりました。この国有化の是非をどう考えますか?

宮家 邦彦(みやけ・くにひこ)氏
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1978年外務省入省後、外相秘書官、中東第一課長、日米安保条約課長、在中国/イラク大使館公使、中東アフリカ局参事官等を経て、2005年に退職。その後、2006~7年、安倍晋三内閣で総理公邸連絡調整官。現在、外交政策研究所代表、立命館大学客員教授も務める。

宮家:国内的に見れば悪くない取引だったと思います。関係者のそれぞれが、多少の不満を残しつつも、ハッピーになれる案でした。地権者にはお金が入ります。石原慎太郎都知事は政府に国有化を認めさせることができます。いっぽう日本政府は、尖閣諸島に対する石原都知事の関与をなくすことができます。中国に対して「当分の間、何も造ることはない」と説明することもできます。

石原都知事は、漁船向けの避難設備を整備する意向でした。これが中国を刺激しかねなかったですね。

宮家:しかし、この取引を中国政府は飲めなかった。中国共産党は10月に政権交代を控えています。「弱気」と取られかねない態度は取れないわけです。

日本政府が国有化の意向を示した時、有識者の間で「買い取るなら、いつにすべきか」という議論が盛り上がっていました。今回の9月11日というタイミングは適切だったのでしょうか?

宮家:政治日程を見ると、このタイミングになると思います。仮に遅らせたとしても何も良いことはなかったでしょう。

 先延ばしすれば、地権者の気が変わる可能性がありました。石原都知事も巻き返しを図ったでしょう。民主党の代表選や衆議院の解散も日程に上ってきます。何にも増して、中国で新政権が誕生した後に国有化をしようものなら、新政権との関係が最初からこじれたものになる。中国は新政権の発足に対して泥を塗るものと解釈するでしょう。

新政権誕生前の国有化なら、新政権の誕生を機にこじれた関係をリセットする可能性を残しておけますね。
 ところで一連のデモや、尖閣諸島周辺の領海への侵入で、中国は得をしたのでしょうか?それとも損をしたのでしょうか?

宮家:得したことはないでしょう。依然として政治がすべてに優先することを露呈しました。政府の意向を通すために、一般企業を危険な目に遭わせるデモを容認したわけですから。デモ参加者による過激な行動の対象になった日系企業には中国人も働いています。中国の一般大衆に被害を与えることも、中国政府は受け入れたわけです。

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「中国と「新しい大人の関係」作りを」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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