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尖閣問題、長引けばiPhone5品切れや世界恐慌の引き金に

2012年9月25日(火)

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 尖閣列島の国有化問題が中国で燃え盛っている。だが、日中の相互経済依存度は極めて高いので、このまま騒乱が続け、日中国交断絶にでもなればiPhone5はじき品切れ。下手をすると、世界恐慌の引き金を引くことになる。

 流石に中国もそこまでの汚名は着たくない筈なので、恐らく、9月18日をピークにこのデモを中心とした抗議活動を、いったん収束させたのだろう。

事態収拾に急ぐ地方政府

 そもそも、中国はアメリカと本気で事を構える気はない。事情通によれば、3週間ほど前のクリントン訪中で、(FRBのQE3を前に)米国債購入の安定的継続を念押しし、中国はそれを受け入れたらしい。嘉手納基地のF22Aラプターに1000ポンド爆弾を装備し訓練飛行に送り出したことも効いたのか、現時点で中国公安は相当強力に、尖閣諸島周辺の領海侵犯を含む抗議活動を抑え込んでいるようである。

 また、事態収拾を望む地方政府などは、焼けただれた工場の外壁や窓ガラスなど、あっという間に補修したらしい。更なる暴動につながらぬよう、休業中も給料は出し続けてくれとも、言っているようだ。地方政府は工場に出て行かれると困るので、通関の便宜や警備強化など申し出ているが、損害賠償に関しては、そのような項目は検討出来ないと事実上門前払いの由。場所により温度差はある模様だ。

 現地中国人従業員は、概ね熱心に復旧作業に従事していると聞く。しかし、広州や珠海など南部の操業再開に至った現場では、心配されたサボタージュや今回の盛り上がりに悪乗りした昇給や待遇改善要求も、起きているようだ。

「愛国」カードの威力

 しかし表面上は収束に向かいつつあるかに見える戦いは、未だ続いている。例えば、中国の税関における一部輸入品の検査強化で、通関の停滞が起こり始めたらしい(中国は日本に不愉快な行動が有ると、良くこの手を使う)。また、メディアの訴求力が大きく即効性もある訪日旅行のキャンセルも、当然のごとく頻発している。

 何より、今回の一連の騒動により、「愛国」というカードが【1】日本企業や日本人への物理的な脅しに加えて、【2】国産品愛用の名のもとに日本製品や日本製部品を排斥する「経済的な脅し」として機能する事が証明されてしまった。これは日本にとっては大きな痛手である。

 【2】に関しては、米国はじめ諸外国の企業にとってはビジネスチャンスでもあるので、ことは複雑だ。事実、主要な大手中国国策企業が日本製部品を使うなと、製品納入業者に指示を出したとの噂が流されている。この動きがどこまで拡がっているかは不明であるが、既に、アメリカ企業などは、日本製品リプレイスのビジネスチャンスと喜び営業に向けて動いている。

コメント35件コメント/レビュー

物事を理解するための前提条件に、かなりの不足があるように見受けられます。抽象的なフレーズや、表面だけの物事に捕らわれずに、信頼できるデータ、情報源から分析を進め、結論を導いていただきたいと思います。例えば、中国との貿易取引が多いといっても、我が国の輸出依存度を鑑みれば、GDPベースでの影響は限定的であるはずですが、その分析がなく、危機感を煽っても説得力に欠けます。(2012/09/25)

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「尖閣問題、長引けばiPhone5品切れや世界恐慌の引き金に」の著者

大上 二三雄

大上 二三雄(おおうえ・ふみお)

エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役/北九州市 参与

1981年東京大学工学部を卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。企業の戦略、オペレーション、IT、アウトソーシングを中心にしたさまざまな企業改革に従事。事業開発グループ統括パートナーとして事業開発・ベンチャー投資の責任者を務めた後、2003年に退社。現在、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役。他に北九州市参与、立命館大学MBA客員教授、東京大学EMPアドバイザー、ISL幹事などを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

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物事を理解するための前提条件に、かなりの不足があるように見受けられます。抽象的なフレーズや、表面だけの物事に捕らわれずに、信頼できるデータ、情報源から分析を進め、結論を導いていただきたいと思います。例えば、中国との貿易取引が多いといっても、我が国の輸出依存度を鑑みれば、GDPベースでの影響は限定的であるはずですが、その分析がなく、危機感を煽っても説得力に欠けます。(2012/09/25)

尖閣、対中関連の記事の中では、唯一共産党政府の戦略についての言及があったのが救いだ。「政治家は馬鹿だ」プロパガンダに支配されている日本では、国際関係は戦略VS戦略という基本すら共有できていない。尖閣は共産党政府にとってとても美味しい問題なのである。国内統制、海洋権益、対米軍事、対台湾、真の意味での経済自立。これらが尖閣1点に集約されているのである。とくに経済面からすれば、中国財界は日本企業の影響力を今後弱めたいという思惑がある。80年代から日本企業は様々な形で中国経済の発展に貢献してきた。それは日本企業にも目論見があってのことで、中国経済の隅々にまで奥深く浸透するためであった。しかし、中国側は「育ての親」から離脱しようとし、今回の緊張を利用すれば、中国側に対する信義に悖る批判をかわせる。実際、欧米への根回しも用意周到である。それらに対する日本側の戦略は一つ一つ明確に存在するのであろうか?日本の経済界は政府に責任を押し付けるようだが、財界独自の反撃はないのか?「流儀に法った気品ある」反撃を期待したいが、そんなものはもはやこの国では歴史の遺物か…。戸次鑑連はなんと見るだろう。嘆息。(2012/09/25)

中国も上のほうは、石油利権で動いているが、軍部や一般国民の一部は、面子や愛国心で動いている。したがって、純粋に資源を分け合えば、合意がとれると楽観視するのは間違い。石油利権が主の上層部も、軍部や国民の愛国の強要に反対することはできないのだ。領土問題が話し合いや、国際法で片が付いた例など、今までの歴史でないのである。(2012/09/25)

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