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新日鉄住金、復権へ道険し

  • 伊藤 正倫

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2012年10月1日(月)

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粗鋼生産量で世界第2位となる「新日鉄住金」が誕生する。ただ、中国勢の過剰生産のあおりで体力をすり減らす一方だ。国内生産を死守しながら、再び業界の盟主に返り咲けるか。

宗岡正二・新会長兼CEOは「いいモノを造るだけでなく、コスト構造をより強固にする」と語る(写真:新関 雅士)

 10月1日、新日本製鉄と住友金属工業が合併し、粗鋼生産量で世界第2位の鉄鋼メーカー「新日鉄住金」が誕生する。合併前の生産規模は新日鉄が6位、住金は27位。特に、ここ数年は韓国ポスコや中国・宝鋼集団の後塵を拝していた新日鉄にとって、規模でアジア首位に返り咲く意味は大きい。

 一昔前なら、関係者は高揚感に包まれていたかもしれない。だが、新会社の会長兼CEO(最高経営責任者)に就く宗岡正二・新日鉄社長は「世界で圧倒的な存在感を持つ鉄鋼メーカーになる」と宣言する一方で、こうつけ加えることも忘れなかった。「いいモノを造るだけでは、生き残れない」と。

 技術面では、世界屈指の鉄鋼メーカー同士の合併だ。日本の自動車メーカーと長年培ってきた、自動車用鋼板の製造ノウハウは言うまでもない。加えて、新日鉄はハイブリッド車のモーターに使う「電磁鋼板」や鉄道用レール、住金は油田操業に使うシームレスパイプなどのグローバル製品を持つ。

 合併後の研究開発費は年間700億円、研究者は800人とさらに充実する。ポスコなどの追い上げが急とはいえ、「危機感はあるが、少なくともハイエンド製品での優位性はまだまだある」(新日鉄技術開発本部の杉浦勉氏)というのが偽らざる心境だろう。

 だが、宗岡・新会長兼CEOは「合併をきっかけに、会社としての構造改革を加速する」と気を引き締める。品質と数量でアジア首位になっただけでは、世界の鉄鋼業界を主導する盟主になれない現実が、そこにある。覇権は今、完全に中国の手の内にある。

 中国は2000年以降、経済発展に伴って鉄の大増産を続けた。2008年のリーマンショック後には政府が4兆元(約50兆円)の景気刺激策を発動し、鉄鋼需要はむしろ増加。国家間の粗鋼生産量の比較では、日本の年間1億トンに対して中国は6.8億トンにまで膨れ上がった。結果、鉄鉱石などの原料価格と製品価格の双方で、中国勢が大きな影響力を持つことになった。

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