• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

尖閣デモ、絶望の中で見えた光

中国12都市・消費者調査

2012年10月9日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

尖閣諸島を巡る反日デモは、日本企業に“絶望的”な被害をもたらした。だが、中国は一様ではない。都市や年齢層が異なれば反日意識も大きく変わる。本誌が中国12都市で消費者調査を実施、その結果から中国事業再建のヒントが見えた。

 周囲はまだ焦げ臭い。

 建物の窓ガラスはほぼすべて割られている。壁も剥がされ、屋根や柱などの構造体まで破壊されているように見える箇所もある。工場を囲う背の高い植栽が上部まで真っ黒に焼かれており、暴徒が放った炎の猛威を思わせた。目測する限り、炎は5m以上の高さまで立ち上がっていたようだ。

 沖縄県・尖閣諸島(中国名は釣魚島・ディアオユーダオ)を巡る対立で、反日デモの被害が大きかった都市の1つ、中国山東省青島を歩いた。自動車販売店が軒を連ねる江山中路。日産自動車系列の販売店は窓が割られて内部が蹂躙されている。販売店内に展示されていたと思われるクルマが、十数台、破壊の限りを尽くされた無残な姿をさらしていた。

 すると目の前の路上にクルマが停止した。20代前半の男性数人が、販売店の残骸を指さして腹を抱えるように大笑いする。だが、被害者はオーナーも従業員も中国人の純然たる中国企業だ。中国人が、破壊され途方に暮れる中国人を笑っている――。その構図に彼らは気づいているのだろうか。

湾を挟んで、天国と地獄

被害額は2億元(約25億円)とも言われるジャスコ黄島店

 日本製品のボイコットを声高に叫びつつ、建物を破壊して日本製品を略奪していった暴徒たち。現地法人総経理が「これが正義、これが愛国なのか」と憤ったジャスコ黄島店は、懸命な修復作業が進められていた。足場が組まれ、囲いで覆われているが、時折、溶接現場の閃光が漏れた。

 ところが、その黄島店からクルマで1時間余り、膠州湾の対岸にあるジャスコ青島店は何事もなかったように営業している。ひっそりと、という様子もない。夕刻、駐車場はクルマでほぼ埋め尽くされる。入り口には、ものものしい警備員の姿もなく、輸入品の高級酒がうずたかく積まれていた。略奪を恐れている様子はない。

コメント3

「時事深層」のバックナンバー

一覧

「尖閣デモ、絶望の中で見えた光」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック